-
2017.01.08
何のためのブラッシング(歯磨き)ですか?
かたい言い方をすると、ブラッシングをする理由は『プラーク(歯垢)の毒素によっておこる害を減らすために、プラークを口の中からできるだけ排除すること』なのです。
プラークは、むし歯や歯周病の原因となる細菌の塊です。細菌の集合体は、同じ場所に長く居座ると……においを発生します。そのようなことを踏まえて、考えてみました。
①生活習慣のリズムを作るため
口は食品を取り込む入口であり、食品を消化させる器官の入り口です。食事に使った食器を洗うように、食事の後の口の中を清潔にする習慣は当然で大切です。
②人と接するにあたってのエチケット
見た目の歯や歯肉のきれいさは、印象に大きな影響を及ぼします。また、対話などの際に口臭の影響は大きなものです。
③むし歯予防
むし歯菌は、プラークとなって歯の表面に付着し、糖質から酸を作り出します。その酸がむし歯を進行させていくのです。だから、酸を発生させるプラークの排除がむし歯予防になります。
④歯肉炎の治療・予防
歯周病の初期症状の歯肉に限局した炎症は、プラークの量を減らせば腫れも治まります。
⑤歯周病の治療・予防
歯周ポケットの中に潜む歯肉縁下プラークは、ここでバイオフィルム(ぬるぬるした基質)を作り、歯周組織を破壊します。この外から見えないプラークの中にいる細菌が最も危険です。だから、徹底的に排除する必要があるのです。将来、歯を失わないようにするために大切なことです。
⑥全身の健康のために
ぬるぬるとした基質であるバイオフィルムの毒素は、歯周病の病巣に開いた血管を経由して全身に散らばっていきます。アルツハイマー 大腸がん 糖尿病 高血圧症 などの病気の人の病巣から歯周病菌が発見された例があります。
あたりまえに毎日やっているブラッシング、その意味について改めて考えてみました。
-
2016.12.24
痛くないし、辛くないから予防歯科
昔の歯科通院のイメージは、むし歯を治すために仕方なく……..痛くなってきたので仕方なく……….というものだったようです。
原歯科医院の予防歯科は、健口である方々が通院するところです。
この3か月ごとの定期健診では、セルフケアを習慣づけることを大切にしながら、プロのケアを受けて二人三脚でクリーニングすることの重要性を伝えていきます。
定期健診では、日々の生活で気になることをうかがいます。
その後、口腔内(歯、歯肉など)の検査をして、現状と同時に悪くなりそうなところ、注意してほしいところを伝えます。そして、毎日毎日の努力の積み重ねにより、良い状態であるところを互いに見て、成果を確認します。
それから、プラークを染め出して、より確実にクリーニングしていきます。このプロのケアとは、歯周ポケットの中や歯の表面にべったりとくっついている『細菌の塊=バイオフィルム』の徹底した除去を目的としているのです。
定期健診では、先生にむし歯や咬合などのお口の中全体のチェックをしてもらいます。
小さなむし歯があるけれど、治療せずに管理していくという判断もあります。むし歯の進行のリスクを減らし、進行抑制を図り、そのまま使い続けることが本人のためになる場合、経過観察をしていくこともあるのです。
私たちは、対話も大切にしています。話をすることで気持ちや考えていることが伝わるからです。この場合、むし歯を今は治療せずに、歯の寿命を長くしていくように考えていることをお伝えします。
生活の質を向上させるための予防歯科の考え方に賛同し、通ってくださっている方がますます増えています。今まで通りの延長じゃなく、今までよりもちょっと良くなるため、ちょっと嬉しくなるための定期健診が大切だと考えています。
-
2016.12.10
思春期は口腔内にとって難しい時期
中高生いわゆる思春期は、身体・心の変化とともに生活環境が大きく変わる時期です。そのため、口腔内の状況も大きく変わり、問題が多発するのもこの時期です。思春期に増加するむし歯、歯肉炎、不正咬合、顎関節症を予防歯科で一緒に考えていきましょう。
例えば、影響を与えそうな事柄のいくつかを挙げてみます。
〇塾や夜遅くまでの勉強で食事が不規則
〇飲み物を自分で購入するために甘味飲料や酸性飲料を多くとる
〇就寝時刻が遅くなり、夜食の摂取が多くなり、朝食の欠食が多くなりがち
〇運動時にスポーツ飲料をよく飲む
〇痩せたいという気持ちから、一食当たりの量を減らすために間食が増え、チョコチョコ食べになってなってしまう
〇親の干渉に逆らいがちで言うことをきかない
〇第二大臼歯 第三大臼歯の萌出による、歯列・咬合の変化
〇頬づえ、片側噛みなどの習慣性の癖
保護者の管理から離れ、子ども同士の時間が多くなるジュニアの時期。生活行動が自律してくるジュニアの時期は、口腔内ケアに対する関心が低下してしまったりします。だから、思春期前までに子ども自身の健康意識を養い、家庭での口腔衛生習慣や定期的な歯科受診が日常生活に定着するようにしておきたいものです。
親離れの時期だからこそ、専門家である他人のアドバイスなら聞くいうこともあるかもしれません。『原歯科医院にクリーニングに行ってらっしゃい』と、保護者の協力による声掛けを期待しています。
-
2016.11.26
一人一人のためのカムカムクラブ
子どものむし歯予防は、周りの大人の高い健康意識の維持により叶えられます。
マタニティクラブ、よちよちクラブに続き 『個人のためのむし歯予防システム』がカムカムクラブです。
原歯科医院では、甘いものの摂り方などの生活習慣の再認識と改善、的確なブラッシング、フッ素利用による歯質強化からむし歯予防についてお伝えしていきます。
担当するのは、経験豊かな歯科衛生士です。子どもとコミュニケーションをとり、お話をたくさんしながら進めていきます。
生活習慣病と言われるむし歯ですから、低年齢からの入会が理想です。
それぞれの年齢に沿って話をしていきますが、個人の性格やわかる範囲での環境を考慮しながら提案していくようにしています。
3ケ月に一度の来院になります。そのたびにブラッシングのチェックもしますので、必ずハブラシやフロスなどの普段使っている道具を持ってきてもらいます。
親の習慣は子供の習慣になるので、上手な仕上げ磨きの習得はむし歯予防のために重要なことの一つです。
いちご味の染め出し液を使うことで、本人にも親御さんにも磨き残しがわかりやすく伝わります。毎日しているブラッシングの苦手なところ、得意なところがわかるのです。いつかむし歯や歯肉炎を引き起こすプラークを取り除くブラッシングにはコツがあります。そのコツを親御さんに伝え、さらに本人に伝えることによりブラッシングは上達します。
もちろん、個人のための時間ですから疑問質問も大歓迎です。また、歯科の機械で、歯をピカピカに磨き上げます。これは、とても嬉しいことです。
たいていの子が歯科通院を楽しみに思ってくれるところが、予防歯科の特徴です。
子供もその親御さんも、喜んで取り組んでくれる予防システムが原歯科医院のカムカムクラブです。
-
2016.11.11
かわいい乳歯がはえてきたら【よちよちクラブへ】
小さな小さな前歯がはえてきた我が子の笑顔は、本当にかわいいものです。この歯をむし歯にしたくないけどどうしたらいいの?多くのママやパパの不安に寄り添い、安心と学びを提供します。
・赤ちゃんの口の中をどうやって見てあげればいいの??
・何を見てあげたらいいの??
・いつからハミガキしなくちゃならないの??
・歯ブラシは使うの??ハミガキペーストは??
・一日に何回??
・どこで??
・どんな風に??
確実に成長している証の歯が顔を出した途端…ママ、パパの疑問は次々に出てくるものです。よちよちクラブでは、自然に湧き出てくるたくさんの疑問にお答えします。
原歯科医院の子育て経験がある歯科衛生士がお話しする赤ちゃんのための予防システム 『よちよちクラブ』は事前申込制で、各回6組ほどのママパパと赤ちゃんで開催されます。
場所は当院待合室。マットを敷いてリラックスして互いに自己紹介することから始まります。和気あいあいとした雰囲気であっという間の一時間です。一緒に参加している赤ちゃんも、ぐずることなく遊んでいることがほとんどです。
お帰りには、予防グッズとしておすすめの歯ブラシ、フロス、フッ素スプレーのお土産もあります。
参加したお母さん同士がお話ししていたり、歯科衛生士や先生に質問する姿も見られ、予防についての関心の高さに驚かされることもしばしばです。
子供の歯は周りの大人が守ってあげることができます。だれより身近なママとパパがお家の歯医者さんですから。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
新着ブログ
-
2025.12.20
【幼児・小学生の歯科知識16/29】乳歯から永久歯へ:生え変わりの順番と注意点 -
2025.12.18
【幼児・小学生の歯科知識15/29】シーラントで奥歯の溝を守ろう -
2025.12.16
【幼児・小学生の歯科知識14/29】 定期健診の大切さ:歯医者さんは怖くない! -
2025.12.14
【幼児・小学生の歯科知識13/29】 歯医者さんでのフッ素塗布の効果 -
2025.12.12
【幼児・小学生の歯科知識12/29】フッ素入り歯みがきペーストの使い方 -
2025.12.10
【幼児・小学生の歯科知識11/29】フッ素ってなに? むし歯予防のひみつ -
2025.12.08
【幼児・小学生の歯科知識10/29】水分と口の中の健康:ジュースより水 -
2025.12.06
【幼児・小学生の歯科知識9/29】朝ごはんと歯の健康:元気な1日を始める習慣 -
2025.12.04
【幼児・小学生の歯科知識8/29】ダラダラ食べはむし歯を呼ぶ?〜お口の中の時間割を守ろう〜 -
2025.12.02
【幼児・小学生の歯科知識7/29】よく噛むことの大切さ:噛む力は歯と体を育てる




