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2025.12.26
【幼児・小学生の歯科知識19/29】 指しゃぶり・おしゃぶりの影響と卒業のコツ

今日は「指しゃぶり」や「おしゃぶり」についてのお話です。
赤ちゃんのころは誰でもやっていた“安心のしるし”のような習慣。
でも、歯が生えそろい、あごがどんどん成長する小学生の時期になると、
実は 歯並びやかみ合わせに大きく影響するクセ に変わっていきます。
とはいえ、指しゃぶりやおしゃぶりは
「やめなさい!」と言って急にやめられるものではありません。
やめられないのには理由があり、やめるためにも“コツ”があります。
このコラムでは、
- なぜ指しゃぶり・おしゃぶりをしたくなるの?
- いつまで続くと歯並びに影響する?
- どんな歯並びのトラブルが起きるの?
- やめるためのステップ
- 家庭でできるサポート
- 歯医者さんでできること
などを、小学生でも理解しやすく役立つ形でくわしく説明します。
1. 指しゃぶり・おしゃぶりはどうして起こる?
まず、なぜ子どもは指しゃぶりやおしゃぶりをするのでしょう?
① 安心するため
赤ちゃんは、指やおしゃぶりを吸うことで
安心したり、気持ちを落ちつかせたりすることができます。
眠る前や不安なときに吸うことで心が安定することも多いです。
② 吸う動きは本能(先天的な習慣)
赤ちゃんは、生まれつき「吸う」動きが得意です。
母乳やミルクを飲むために必要な本能なので、自然な行動といえます。
③ 手が自由に動くようになると楽しくなる
成長とともに手を口に持っていく動きが増えます。
「この指を吸うと落ち着く」「気持ちいい」という感覚が定着しやすいのです。
④ 習慣として残ることも
2~3歳ごろに自然と減っていきますが、
眠る前、退屈なとき、緊張しているときなどに習慣として残る場合もあります。
指しゃぶりとおしゃぶりは悪いことではなく、
成長の過程で自然に出てくる行動です。
ただ、ある時期をすぎても続くと、歯並びに影響が出てしまいます。
2. いつまで続くと歯並びに影響するの?
指しゃぶり・おしゃぶりが問題になるのは、
“4歳をすぎても続いているとき”
と言われています。
なぜ4歳がポイントなのでしょう?
理由① あごの成長が本格的に始まる時期だから
4〜6歳は、あごが強く成長し、
永久歯が生えるスペースができ始める重要な時期です。
この時期に指やおしゃぶりで前歯を押す力がかかると、
歯の向き・あごの形に変化が出やすくなります。
理由② 永久歯の準備が始まるから
前歯の永久歯は、5~7歳で生え始めます。
そのため、4歳以降のクセが永久歯の生え方に影響しやすくなります。
つまり、4歳までに自然に減っていくことが理想ですが、
小学生でも癖が残っている場合は、
ゆっくりと卒業するためのサポートが必要です。
3. 指しゃぶり・おしゃぶりが歯並びに与える影響
ここでは、クセが続いた場合にどんな影響があるかを説明します。
① 出っ歯(上の前歯が前に出る)
指やおしゃぶりで前歯が押されると、
上の前歯が前に出た状態になります。
影響
- 前歯で食べ物をかみ切りにくい
- 口が閉じにくい
- 見た目が気になることもある
② 開咬(前歯がかみ合わなくなる)
前歯部分にスキマができ、
上下の前歯が全く当たらなくなる状態です。
影響
- 食べ物が前歯でかみ切れない
- 発音がしにくくなる
- 舌を噛みやすい
開咬は、指しゃぶりの代表的な影響のひとつです。
③ 上あごが狭くなる
指の力が長く加わることで、
上あごが左右に狭くなってしまうことがあります。
影響
- 歯が並びきれずガタガタになる
- クロスバイト(左右の咬み合わせが反対)になる
- 鼻呼吸がしにくくなる
④ 口呼吸がクセになる
指しゃぶりが続くと、唇が開きがちな状態になり、
口呼吸のクセにつながります。
口呼吸は、むし歯や歯並びの悪化など、
多くのトラブルを引き起こす原因になります。
⑤ 舌の位置が下がる
吸うクセがあると、舌が常に下がったままになり、
上あごの骨が広がりにくい状態に。
その結果、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びが乱れやすくなります。
4. 小学生でもできる!指しゃぶりを卒業する5つのステップ
急に「やめる!」のではなく、
段階をふんで進めるととても成功しやすくなります。
ここでは、小学生も取り組める方法を紹介します。
ステップ① 自分のクセを知る
まずは、
「いつ指をしゃぶってしまうのか?」
「どんな気持ちのときにやってしまうのか?」
を知ることが大切です。
たとえば、
- 寝る前
- 退屈なとき
- 不安なとき
- テレビを見るとき
多くの子が「眠る前」にしてしまいます。
ステップ② 指しゃぶりの代わりを作る
急に「ダメ!」と言うと反発が出たり、不安が強くなります。
そこで、指の代わりになる「安心アイテム」を用意します。
- 柔らかいタオル
- 小さめのぬいぐるみ
- アロマの香り(子ども用)
- 落ち着く音楽
- ホットパック(あたたかい抱きまくらなど)
指の代わりに“安心できるもの”を見つけると卒業しやすくなります。
ステップ③ 寝る前のルール作り
眠る前は指しゃぶりが出やすい時間。
ここが一番の勝負どころです!
対策例
- 手をにぎる遊びをする
- 寝る前にハンドクリームを塗ってもらう
- 絵本を読んでもらいながら手を握る
- 手を布団の上に置く習慣をつける
- 手袋をしてみる
“眠る前の安心”を作ることがポイントです。
ステップ④ 家族の励ましで成功率アップ!
叱るより、
できた日をほめる方が何倍も効果的です。
カレンダーに「できた日」に◎をつけるのも人気の方法。
連続でできたらちょっとしたごほうびを用意するなど、
「楽しく続けられる工夫」が大切です。
ステップ⑤ 難しい場合は歯医者さんで相談
クセが強いときは、
歯医者さんで専門のアドバイスを受けられます。
子供にとって、専門家からのアドバイスは心に響く場合もあります。
- 舌のトレーニング(当院ではやっていませんが)
- あごの成長チェック
- やめるための指導
- 必要に応じた装置の改善案
専門家に相談することで、無理なく卒業できる子がいます。
5.おしゃぶり卒業のコツ(乳児〜幼児の兄弟がいる家庭向け)
おしゃぶりの場合は「家族の協力」がとても大切です。
① 使う時間を決める
「眠るときだけ」「外出中は使わない」などルール化。
② 段階的に減らす
急にやめるより、
使う時間を短くしていく方が成功しやすいです。
③ “おしゃぶり卒業イベント”をする
おしゃぶりを“バイバイ”する日のイベントを作るのも効果的。
- おしゃぶり卒業式
- おしゃぶりを風船につけて空に(屋内の飾りとして)
- “ありがとうカード”をつくる
卒業が前向きな思い出になります。
④ 夜泣きが続く場合は無理をしない
ストレスが増えると逆効果。
無理せずゆっくり進めることが大切です。
6. 歯医者さんでできるサポート
歯医者さんでは、
ただ「やめましょう」と言うだけではなく、
専門的なサポートがあります。
① 歯並びのチェック
指しゃぶりによって
出っ歯・開咬・上あごの狭まりが起きていないかを確認します。
② 舌や唇のクセの改善(MFT)
舌の位置、飲み込み方、口の動かし方を
楽しくトレーニングする「筋機能療法」を行います。
③ 成長に合わせた治療の提案
必要があれば、成長を助ける治療(咬合誘導)を提案することも。
④ 成功するための家庭アドバイス
生活の中でクセが出にくい環境作りや、
励まし方のアドバイスなども教えてくれます。
まとめ:ゆっくり、やさしく卒業をめざそう
指しゃぶり・おしゃぶりは、
赤ちゃんのころの“安心のサイン”でした。
でも、小学生は「歯並びを守るための大事なステップ」の時期です。
★ 今日からできるポイント ★
- 自分のクセのタイミングを知る
- 指の代わりになるアイテムを用意
- 寝る前の安心時間を作る
- できた日をしっかりほめる
- 必要なら歯医者さんに相談
指しゃぶりの卒業は、誰かに叱られるためのものではなく、
“自分の歯を大切にするためのチャレンジ”です。
頑張った分だけ、
きれいな歯並びと健康な笑顔が必ず返ってきます。
応援しています!
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2025.12.24
【幼児・小学生の歯科知識18/29】 歯並びとかみ合わせを守るには・・・・

今日は「歯並び」と「かみ合わせ」についてのお話です。
歯並びというと、「ガタガタしている」「きれいにそろっている」
という見た目のイメージが浮かぶかもしれませんね。
でも実は、歯並びは見た目だけではなく、健康にも大きく関わるとても大切なものです。
さらに「かみ合わせ」は、食べる、話す、体のバランス、顔の成長などに影響します。
では、どうやって歯並びやかみ合わせを守ればいいのでしょうか?
今日のコラムでは、
- 歯並びはどうやって決まるの?
- かみ合わせが悪いとどうなるの?
- 小学生のうちにできる歯並び予防
- クセが歯並びに与える大きな影響
- 歯医者さんでできること
などを、やさしくくわしく解説します。
大人になっても困らない“きれいな歯”をつくるための、大切なポイントがいっぱいです。
歯並びとかみ合わせはどうして大切なの?
まず、歯並びとかみ合わせはなぜ大切なのでしょうか?
理由は大きく4つあります。
① 食べ物をしっかり噛める
歯並びが整っていると、食べ物を左右バランスよく噛めます。
よく噛めると、消化も良くなり、体の調子も整います。
② 言葉がきれいに発音できる
前歯の位置や隙間は発音に影響します。
歯並びが整っていると、ことばがはっきり話しやすくなります。
③ むし歯・歯ぐきの病気の予防
歯がガタガタだと、磨き残しが多くなりむし歯になりやすいです。
また、歯ぐきの病気の原因にもなります。
④ 見た目の自信につながる
歯がきれいに並んでいると、笑うのがもっと楽しくなります。
小学生・中高生・さらに一生の心の自信にも影響します。
歯並びは見た目だけでなく、一生の健康と自信に関わる大きなポイントなのです。
歯並びはどうやって決まるの?
「歯並びはうまれつき?」
「親の歯並びに似るの?」
そう思う人も多いですが、じつは歯並びは 生活習慣で大きく変わる ことがわかっています。
歯並びを決める主な3つの要素はこちらです
① あごの成長
歯はあごの骨に並びます。
そのため、あごがきちんと育たないと、歯が並びきれずにガタガタになります。
あごの成長には、
- 赤ちゃんの時のハイハイなどの運動
- よく噛む
- 正しい姿勢
- 鼻呼吸をする
- バランスの良い食事
などが深く関係します。
② くちのクセ
クセは“毎日のちょっとした行動”ですが、積み重なると歯並びを大きくゆがめます。
例えば…
- 指しゃぶり
- 口呼吸
- 頬づえ
- 唇をかむ
- 舌で歯を押す
クセは直しにくいものですが、理解ができる幼児・小学生の時こそ改善のチャンスです。
③ 遺伝
あごの骨格や顔の形は家族に似ることがあります。
そのため、歯並びにも多少の遺伝はあります。
でも、
遺伝よりも生活習慣のほうが歯並びへの影響が大きい
と言われています。
つまり、今の習慣を変えれば、未来の歯並びも変えられるのです!
かみ合わせが悪いとどうなるの?
かみ合わせが悪いと、実は様々な影響があります。
① 食事がしにくい
前歯がかみ合わないと食べ物をかみ切れません。
奥歯だけで噛んでいると、一部に負担がかかりすぎてしまいます。
② あごが疲れる・痛くなる
かみ合わせがずれていると、あごの関節に負担がかかります。
将来の顎関節症(がくかんせつしょう)の原因にも。
③ 歯がすり減る
歯の当たり方が悪いと、特定の歯だけが強く当たり、すり減ってしまいます。
④ 姿勢に影響する
じつは歯並びとかみ合わせは、体の姿勢にも影響します。
噛み方が左右で違うと、体が傾きやすくなることも。
歯並びが良いと、体全体がバランスよく育つと言われています。
小学生のうちにできる! 歯並びを守る5つのポイント
ここからは今日からできる歯並び予防を紹介します。
むずかしいことはありません。生活の中でちょっと意識するだけでOK!
① よく噛んで食べる
あごを育てるために一番大切なのが「よく噛むこと」。
よく噛むとどうなるの?
- あごの骨が育つ
- 顔の筋肉がきちんと働く
- 歯の生え方が安定する
- 胃腸の負担が減る
意識ポイント
- ひと口30回を目指す
- よく噛む食材(りんご、きゅうり、するめ、根菜)を食べる
- 丸のみはNG!
② 鼻で呼吸する(とても重要)
口で呼吸する「口呼吸」は、歯並びにとても悪影響!
口呼吸が引き起こす問題
- くちびるが開きっぱなし → 前歯が前に出る
- 舌が下がる → 上あごが狭くなる
- 顔の発育に影響
今日からできる鼻呼吸トレーニング
- 口を閉じて舌を上あごに吸い上げてベッタリとつける
- 寝るときに仰向けに寝る
- 姿勢をよくする(猫背は口呼吸を招く)
③ 正しい舌の位置を覚えよう
舌は歯並びにとても大きな影響を与えます。
正しい舌の位置とは?
上あごの天井(スポットと呼ばれます)に舌の先がついている状態で、舌全体をうわあごに吸いつけます。
これができていないと…
- 舌で前歯を押す
- 上あごが狭くなる
- 出っ歯になりやすい
という問題が起きます。。
④ 頬づえ・うつぶせ寝はしない
頬づえやうつぶせ寝は、あごや歯に強い力がかかるクセ。
毎日続けると、歯並びに大きなゆがみが出ます。
こんなクセは要注意
- 頬づえ
- 机に顔をのせて寝る
- 横向き/うつぶせで長時間寝る
- スマホを見る時に顔を傾ける
姿勢を整えることが歯並びを守る第一歩!
⑤ 指しゃぶり・唇かみ・爪かみを卒業する
クセの中でも特に歯並びをゆがめるのがこの3つ。
どんな影響?
- 指しゃぶり → 出っ歯、開咬
- 唇をかむ → 下あごが後ろに下がる
- 爪をかむ → 前歯に力がかかる
やめるのがむずかしいクセは、おうちの人と一緒に少しずつ改善していこう。
5. 歯医者さんでできる歯並び予防
歯医者さんでは、歯並びのチェックやあごの成長の確認ができます。
① 定期健診で生え方をチェック
乳歯と永久歯が混ざる時期は、歯並びが大きく変わる時期。
できたら毎月のチェックがオススメです。
② 早期矯正(こども矯正)
小児期の矯正は、
- あごの成長を助ける
- 歯のスペースを確保する
- 後の矯正が軽く済む
などのメリットがあります。
まとめ:今日からできる“歯並びを守る生活”
歯並びとかみ合わせは、小学生だからこそ守れる大切な成長ポイントです。
最後に復習しましょう!
✔ よく噛んで食べる
✔ 鼻で呼吸する
✔ 舌を正しい位置に
✔ 頬づえやうつぶせ寝をやめる
✔ クセをやさしく改善する
✔ 歯医者さんで定期チェック!
歯並びは「努力で変えられる未来」です。
幼児・小学生の頃から、少しずつできることから始めていきましょう。 -
2025.12.22
【幼児・小学生の歯科知識17/29】6才臼歯はむし歯になりやすいので大人と守るのです!

みなさん、こんにちは!
今日は「6才臼歯(ろくさいきゅうし)」という、ちょっと特別な歯のお話をします。
聞いたことがありますか? もしかしたら「知らないよ」という方のほうが多いかもしれません。
でもね、6才臼歯は みんなの一生の歯の中でも、とくに大切で、とくにむし歯になりやすい歯 なんです。
だから、生える頃から知っておくと、将来の歯がずっと元気でいられます。
今日のコラムでは、
- 6才臼歯ってどこにある歯?
- なんでむし歯になりやすいの?
- どんなふうに守ればいいの?
- 今日からできる予防のコツ
を、わかりやすくお話ししていきます。
1. 6才臼歯ってどんな歯?
6歳ごろになると、奥の方から「ひょこっ」と生えてくる大きな歯が6才臼歯です。
この歯は 乳歯とはちがい、一生使う永久歯。
前歯が抜けたところから生えてくる乳歯とは違って、なんと 乳歯の後ろにいきなり生えてくる のです。
● 6才臼歯の特徴
- とても大きくて、噛む力がとても強い
- 左右の上下に合計4本ある
- かんだ時の力を支えてくれる“かみ合わせの中心”
- ほかの永久歯が生えてくる位置を誘導する“ガイド役”
つまり、6才臼歯は口の中では リーダーみたいな存在。
もし6才臼歯がむし歯になってしまうと、ほかの永久歯の並び方がずれてしまったり、かむ力が弱くなったり、将来ずっと困ってしまうこともあるんです。
2. どうして6才臼歯はむし歯になりやすいの?
6才臼歯は特別な役目をもっているのに、じつはむし歯になりやすい弱点がいくつもあります。
ここでは、その理由を4つ紹介します。
① 生えはじめは背が低くて見えにくい
6才臼歯は生えはじめのころ、歯ぐきに埋もれていて背がとても低いです。
そのため、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすくなります。
生えたばかりの6才臼歯は、かむ面がまだ全部出ていないので、鏡でのぞいても気づかないことも。
仕上げみがきをしている大人でも「気づいたらもう生えてた!」というくらいです。
② 溝(みぞ)が深くて複雑
6才臼歯のかむ面を想像してみてください。
丸いだけじゃなく、小さな溝がたくさんありますよね。
この溝がとっても深くて、形が複雑なので、食べカスや汚れが入り込みやすいのです。
チョコ、ビスケット、パンのくず、ばい菌のかたまり(プラーク)などが入り込むと、むし歯のスタートになってしまいます。
③ 永久歯なのに“弱い時期”がある
「永久歯って強い歯じゃないの?」と思うかもしれませんが、
生えたばかりの永久歯は まだ表面がやわらかく、むし歯菌に負けやすい のです。
生えてから数年かけて、唾液の成分などでだんだん固くなっていきますが、最初のころは弱い赤ちゃんのような状態。
だから 少し生え出してから3〜4年間は特にむし歯になりやすい のです。
④ 自分で磨くのがむずかしい場所にある
6才臼歯はいちばん奥に生えるので、子どもが自分の力だけで完璧に磨くのはとても難しいです。
- 歯ブラシが届きにくい
- 力がうまく入らない
- 動かし方がむずかしい
という理由から、磨き残しが起きがち。
だからこそ、仕上げみがきがとても大切です。
3. むし歯になるとどうなるの? そのまま放っておくと…
6才臼歯がむし歯になると、ただ歯が痛くなるだけではありません。
実はもっと深刻な問題につながります。
● 噛む力が弱くなる
6才臼歯は噛む中心となる歯。
ここに問題があると、食べ物をうまく噛めなくなったり、姿勢に影響することも。
● 歯並びにも悪影響
6才臼歯はほかの永久歯の“ガイド役”。
むし歯や欠けがあると、ほかの歯がずれて歯並びが悪くなる原因になります。
● 一生ものの歯を失うリスク
6才臼歯は生まれてから死ぬまで使う一生もの。
ここを失うと、(人生100年と考えると)後の人生90年間以上困ることになってしまいます。
だからこそ、むし歯にならないように予防がとても大切なのです。
4. 今日からできる6才臼歯を守る方法
ここからは、今日から小学生でもできる「むし歯予防のコツ」を紹介します。
① 奥の奥までしっかりみがこう!
6才臼歯を磨くときのコツは、ほっぺ側から歯ブラシを突っ込むように。
下の奥歯を磨くときは、ほっぺを少し広げると磨きやすくなります。
【みがき方のポイント】
- 歯ブラシの先を奥に入れる
- 音を鳴らすように動かしてみぞをこする
- 噛む面は横からシャカシャカ「小刻みにトントン・シャカシャカ」いろいろな方向から
これだけでみがき残しがぐっと減ります。
② フッ素入りの歯みがきペーストを使おう
生えたての永久歯は弱いので、フッ素で強くしてあげるのもとても効果的。
フッ素は、歯を丈夫にし、むし歯菌にも負けない強い歯にしてくれます。
③ 仕上げみがきは小学高学年まで続けてOK!
「もう小学生だから自分だけで大丈夫!」…と思うのは間違いです。
6才臼歯が完全に生えてくるのは8〜9才ごろ。と時間がかかります。
生える時期が長い分、仕上げみがきは 小学校6年生くらいまで続けるのが理想 です。
とくに夜は、保護者の方に見てもらいながらしっかり磨きましょう。
④ 歯医者さんで“シーラント”をしてもらおう
シーラントとは、歯の溝の下の方をフタでコーティングして汚れを防ぐ方法 です。
痛みもなく、数分で終わり、むし歯予防にとても効果的!
6才臼歯は溝が深いので、シーラントが効果的です。
歯医者さんで相談してみましょう。
⑤ 定期健診で見逃しゼロに!
6才臼歯は「気づいたらむし歯になっていた」という失敗が多い歯。
だから、毎月~3ヶ月に1回は歯医者さんに行き、
- 汚れのチェック
- フッ素塗布
- 生え方のチェック
- シーラントの状態チェック
をしてもらうと安心です。
5. 6才臼歯を守れたら、大人になった時の未来が変わる!
6才臼歯って「たかが1本」ではありません。
みんなの一生の歯のバランスを支える、とても大切な柱 です。
だから、この歯を守ることは、大人になってからの
- 歯並び
- 噛む力
- 食べる楽しさ
- 全身の健康
- 将来の治療費
まで、大きく影響してきます。
ちょっとがんばって予防を続けるだけで、
大人になった時、健康的に素敵にに楽しく過ごせるんです。
まとめ:今日からできる6才臼歯の守りかた
✔ 1. 奥の奥までしっかり歯みがき
✔ 2. フッ素入りの歯みがきペーストを使う
✔ 3. 夜だけでも仕上げみがきをしてもらう
✔ 4. シーラントで溝を守る
✔ 5. 歯医者さんで定期的にチェック!
6才臼歯を守ることは、未来の自分へのプレゼント。
今日から、ぜひ一緒に守っていきましょう! -
2025.12.20
【幼児・小学生の歯科知識16/29】乳歯から永久歯へ:生え変わりの順番と注意点

みなさんは、自分の歯が小さいころからずっと同じだと思いますか?
実は、人の歯は一生のうちに一度生え変わります。
生まれてすぐに生え始める 乳歯(にゅうし) が、その後小学校くらいから 永久歯(えいきゅうし) に生え変わっていきます。
このコラムでは、乳歯がどのように抜けて、永久歯がどのように生えてくるのか、その順番や気をつけたいことを、みなさんにもわかりやすく説明します。
歯は一生つかう大切な体の一部なので、正しい知識をもって大事にしていきましょう!
◆ 乳歯ってどんな歯?
乳歯は「子どもの歯」と呼ばれ、小さくて白くて、形がちょっと丸いのが特徴です。
赤ちゃんのときに生え始めて、小学生から中学生くらいまで使います。
◎乳歯の役割
乳歯にはこんな大切な役割があります。
- ごはんをかみくだく
- はっきりした発音を助ける
- あごの骨の成長をうながす
- 永久歯が正しい位置に生えてくるための“ガイド”になる
どのこともとても大切。
乳歯が早く抜けてしまうと、永久歯が変な方向に生えてきてしまうこともあります。
◎乳歯はいつ何本生える?
乳歯は全部で 20本。
前歯(まえば)から生え始めることが多いです。徐々に奥の歯まで生えてきます。
生える順序は、個性があります。
必ずしも、順番に生えるわけではなく1本飛ばして生える場合も多いです。
◆ 永久歯ってどんな歯?
永久歯は「おとなの歯」で、いったん生えてきたら生え変わりはありません。
一生ずっと使う歯なので、乳歯よりも強くて大きいのが特徴です。
◎永久歯の本数
全部生えると 28本(親知らずを入れると32本)。
乳歯よりも多いのは、食べる量が増えて、かむ力が必要になるからです。
◎永久歯はいつから生える?
一番早い永久歯は、小学1年生より前 に生えてくることもあります。
乳歯の後ろには「6歳臼歯(6さいきゅうし)」という大きな永久歯が生えてきます。
◆ 乳歯から永久歯へ:生え変わりの順番
生え変わりは、大体このような順番で進んでいきます。
◎ 6歳ごろ:永久歯「6歳臼歯」が生える
これは乳歯の下から生えてくるのではなく、
いちばん奥のまだ歯がなかった場所に生える 特別な歯です。
大人になって、自分の体重と同じくらいの力を発揮できる力持ちの歯になります。
6歳臼歯はとてもむし歯になりやすい歯なので、早い時期から注意が必要です。
◎ 前歯が抜けて生え変わる(6~8歳)
まずは下の前歯から抜け、そのあと上の前歯が抜ける子が多いです。
- 下の前歯(中切歯・ちゅうせっし)
- 上の前歯(中切歯)
- 下の横の前歯(側切歯・そくせっし)
- 上の横の前歯(側切歯)
この時期、歯がぐらぐらして気になります。
◎ 犬歯(糸切り歯)や奥歯が生え変わる(9~12歳)
少しずつ奥の歯や犬歯が生え変わっていきます。
だいたい小学校高学年ごろまでに順調に生え変わります。
◎ 最後の大きな奥歯「12歳臼歯」が生える(11~13歳)
6歳臼歯のさらに奥に、もう1本歯が生えてきます。
これが 12歳臼歯。
永久歯の中で大きく、かむ力を支える存在です。
★ 生え変わりは人それぞれ
- 歯が早く抜ける子
- なかなか抜けない子
- 生える順番がちょっとちがう子
いろいろいますが、多くの場合は自然とおさまります。
不安なときだけ歯医者さんに相談しましょう。
◆ 生え変わりのときに気をつけたいこと
◎ ぐらぐらしても無理に抜かない
手でひっぱると、根が残って出血したり、細菌が入ったりすることも。
自然と抜けるのを待つか、気になるなら歯医者さんで安全に抜いてもらいましょう。
◎ 永久歯が「裏側」から生えてくることがある
特に下の前歯ではよくあります。
しかし多くの場合、乳歯が抜ければ永久歯は自然に前の方に動いてきます。
◎ 生えてきたばかりの永久歯は柔らかい
実は…永久歯は生えた瞬間はまだ未完成!
歯の表面のエナメル質が固くなるまでに 2~3年 かかります。
そのため、
- むし歯になりやすい
- 汚れがつきやすい
という弱点があります。
◎ 歯肉(歯ぐき)がむずむずして痛い
生え変わりではよくあることです。
歯ブラシでやさしくお掃除するとラクになります。
◎ 見た目が気になっても心配しすぎない
「すきっ歯になった!」
「歯が大きい!」
「色が少し黄色い!」
生えたばかりの永久歯は乳歯よりも大きく、色が少し黄ばんで見えることがありますが、これも正常です。
◆ 生え変わり期にむし歯を作らないために
乳歯も永久歯も、むし歯になると痛いし、治療もたいへん。
特に生え変わり期の歯は、むし歯のリスクが非常に高いので注意が必要です。
◎ 6歳臼歯を守る
生えたことに気づきにくく、かみあわせの溝が深くて磨きにくいため、むし歯になりやすい歯です。
コツ:
- 小さな歯ブラシを奥までいれる
- 口を大きく開けながらみがく
- 親の仕上げみがきで6才臼歯を虫歯から守る
◎ 生えたての永久歯は特にていねいに磨く
エナメル質が弱い期間を乗り切ることが重要。
◎ フッ素(フッ化物)を活用する
- フッ素入り歯みがきペースト
- 歯医者さんでのフッ素塗布
- フッ素うがい
これらは歯を強くしてむし歯を予防します。
◎ 歯と歯の間はフロス
生え変わりの時期は歯が重なりやすいので、フロスの習慣をつけるととても良いです。
◎ 定期健診を受ける
1~3ヶ月に1回のチェックで、むし歯や歯並びのトラブルを早期発見できます。
◆ 歯並びに関する心配ごと
生え変わりの時期は、歯並びがガタガタになったり、すき間が広くなったり、見た目が気になることがよくあります。
◎よくある心配
- 前歯が大きい
- すき間が空いている
- 下の歯がガタガタ
- 犬歯が高い位置にある
こうした状態は「成長途中では普通のこと」で、多くは自然に整っていきます。
ただし、あごが小さくて歯が並びきらないケースもあるので、心配なときは歯医者さんへ。
◆ 乳歯を長く大切にしよう
乳歯は「どうせ抜けるからいいや」と思う人がいるかもしれません。
でも乳歯の健康は永久歯に大きな影響を与えます。
乳歯がむし歯になると…
- 永久歯がむし歯になりやすくなる
- 永久歯が曲がって生えてくる
- 顔の骨の成長に影響する
などの問題が起こることがあります。
乳歯も永久歯と同じくらい、しっかり守ることが大切です。
◆ まとめ:生え変わりは「成長の大事なステップ」
乳歯から永久歯への生え変わりは、子どもの成長の中でもとても大切な出来事です。
順番には個人差があるので、あわてたり心配しすぎる必要はありません。
大切なポイントは…
- ぐらぐらしても強引に引き抜かない
- 生えはじめの歯はむし歯になりやすいことを理解する
- 6歳臼歯と12歳臼歯はしっかりと親子で守る
- フッ素やフロスで予防を強化
- 気になることは歯医者さんへ
永久歯は一生もの。
この時期のケアが未来の歯の健康を左右します。
親子でしっかりお口ケア!「歯を大切にする習慣」を身につけていきましょう!
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2025.12.18
【幼児・小学生の歯科知識15/29】シーラントで奥歯の溝を守ろう

奥歯の「みぞ」って知ってる?
大人の歯は、上の歯と下の歯を合わせて32本あることを聞いたことがありますか?
乳歯は20本ですが、小学生になると乳歯がぬけて大人の歯(永久歯)がはえてくる時期です。
そして、その大人の歯の中でも噛むために大切なのが奥歯(おくば)。
奥歯は、食べものをすりつぶすために、とても大きな力を使っています。
ところがこの奥歯には、深くて細かい“みぞ” がたくさんあります。
指でさわってもツルツルしているように感じるかもしれませんが、実はのぞいてみると、まるで山の谷間のように入り組んでいるのです。
この「細くて深いみぞ」に食べもののカスやばい菌が入りこみやすく、むし歯ができる原因になります。
そこで活やくするのが、今回のテーマ「シーラント」です。
シーラントってなに?
シーラントとは、むし歯になりやすい奥歯の“みぞ”に、
透明〜白色のプラスチックの薬(レジン)を流し込んでうめる予防処置 のことです。
✔ 痛い? → 痛くないよ!
✔ 歯を削る? → 削らないよ!
✔ どれくらい時間がかかる? →数本で10分程度
とてもかんたんで、むし歯ができやすい小学生にぴったりの予防法として、世界中で使われています。
どうして奥歯の溝はむし歯になりやすいの?
小学生のむし歯は、奥歯のかみ合わせの面にできやすいのです。
その理由は3つです。
① とにかく溝が深くて細く複雑!
歯ブラシの先でも届きにくい、細くて複雑な形をしています。
② よく使う歯だから汚れもたまりやすい
食事のたびに強くかみしめるので、汚れもはさまりやすい。
③ 生えたばかりの永久歯は弱い
エナメル質がまだ未熟で、むし歯の進行が早いことも。
こうした理由から、奥歯は“むし歯のスタート地点”になりやすいのです。
シーラントのしくみをわかりやすく説明!
シーラントは、奥歯の溝をコーティングして守る働きをします。
仕組みはとてもシンプル:
- 深い溝に薬を流す
- みぞの底までしっかり入りこむ
- 光を当てて固める
- 汚れが入りにくくなる
- むし歯になるリスクが激減!
まるで、ざらざらの道にすべり止めコーティングをするようなイメージです。
シーラントの薬には、少量ですがフッ素を放出するタイプのものもあり、歯をさらに強くしてくれます。
シーラントはどの歯にするの?
シーラントは、乳歯にも永久歯にも使えます。
特にむし歯になりやすいのは…
① 6歳臼歯(第一大臼歯)
小学校1年生頃に一番奥に生えてくる、とても大切な歯。
むし歯になると食べる力も弱くなり、一生にかかわる大問題。
② 小学校3〜4年で生えてくる永久歯の奥歯
だんだん歯並びにも奥歯が増えていくので、この時期も要注意。
③ 溝が特に深い乳歯
乳歯なのに意外とむし歯になりやすいので、必要に応じてシーラントを行います。
シーラントの手順を知ろう
シーラントは、次のような流れで進みます。
① 歯のよごれをきれいにする
ブラシや超音波の機械で丁寧にお掃除します。
歯の表面を処理する
② 歯を乾かす
シーラントは水に弱いので、歯をしっかり乾かします。
③シーラントを溝に流しこむ
④ 専用の光を当てて固める
青い光を数秒当てると、すぐに固まります。
もちろん痛みはありません。
⑤ 完成!かみ合わせをチェック
高すぎたり違和感がないか確認します。
シーラントは何年もつの?取れたらどうなる?
シーラントは半永久的に残るわけではありません。
歯の使い方や食べもの、かむ力によって、だんだんすり減ったり、かけたり、取れたりすることがあります。
だからこそ…
🦷 定期健診でチェックが必要!
もし取れたまま放置すると、そこからむし歯になることがあるため、
見つけたらすぐに再シーラントをしてもらえば安心です。
シーラントは安全?副作用は?
シーラントは世界中で長年使われている安全な予防法です。
✔ 歯を削らない
✔ 痛くない
✔ 子どもに優しい
✔ アレルギーリスクも極めて低い
むし歯予防効果が高いことが科学的にも証明されています。
シーラントをしたからといって油断は禁物!
ここがとても大切です。
シーラントをしても、むし歯が“絶対に”できないわけではありません。
理由は…
・歯の横の部分にはシーラントがない
・だらだら食べをしてしまう習慣はむし歯になりやすい
・歯ブラシの仕方が不十分
・甘い飲み物が多い など
むし歯は生活習慣とも大きく関係しています。
シーラントを長持ちさせるコツ
① よくかむ食べ方を心がける
歯の表面に必要以上の負担をかけないことが大切です。
② 歯ブラシをていねいに
毎日のケアがむし歯を防ぎます。
③ だらだら食べをしない
むし歯菌が大好きな状態をつくらないようにしましょう。
④ 定期健診を忘れない
取れた部分を早く見つけてもらうためです。
シーラントは“守りの力”を与える魔法のコート
シーラントは、奥歯の溝を守るための「歯のよろい」のようなもの。
・むし歯になりやすい部分をカバー
・歯ブラシが届きやすい状態を作る
・フッ素が歯を強くする
生えたばかりの歯を守るために、とても頼りになる存在です。
まとめ:シーラントで一生ものの歯を守ろう!
奥歯の溝は、むし歯菌のかくれんぼの名人。
その溝をやさしく守ってくれるのがシーラントです。
✔ 痛くない
✔ 削らない
✔ 効果が高い
✔ 生えたての歯にぴったり
これらの理由から、日本だけでなく世界中の歯医者さんで行われている、安全で信頼できる予防法です。
むし歯になってから「痛い…治療いやだ…」と困る前に、
むし歯になる前に予防することが、とても大切。
定期検診と合わせて、シーラントを上手に使いながら、
未来の自分の歯を、しっかり守っていきましょう!
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
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