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体の健康は歯の健康からブログ一覧

  • 2019.11.15

    歯周病の検査って何をしてるのか






    歯周病とは、歯をそこに存在させるための組織の病気です。
    はぐき、歯とはぐきを結びつけている繊維、そして歯が埋め込まれている骨がその組織になります。
    「歯周病の検査をしてもらったことがありますか?」と聞くと『針をいろんなところに刺す検査ですよね』と答えてくれる方が多いです。
    歯周病と診断するのは歯科医師ですが、検査は歯科衛生士もすることができます。
    針って?刺すってどこに?そんなことを説明します。

    歯周病の検査は、レントゲン、揺れの検査、口の中の写真検査などがありますが、一番時間をかけて行う検査がポケット検査(ここでは一般的にわかりやすいであろう言葉にしてます)です。歯とはぐきは、細かい繊維で結びつけられています。そして、健康な人でも歯とはぐきの間には、数mmの深さの隙間(歯肉溝)があります。

    この隙間は、歯周病菌の悪さによって広げられたり、深くなったりします。歯周病の症状を表しはじめたこの隙間を歯周ポケットといいます。歯周ポケットの検査で、いろいろなことがわかるのです。この検査に使うものは、針のように先端が尖っているもはありません。シャープペンの芯ほどの太さのもので、先端は尖っていない器具を使います。これを、優しいわずかな力で歯周ポケットに入れます。狭い隙間ですから、炎症がありそこにふれた時にはチクチクすることもあるかもしれません。そんなときは、そのときに決めた合図で教えて欲しいのです。
    炎症が強いなどの問題がある時を除き、痛い検査ではないし、もし痛かったら痛みを我慢する検査でもありません。痛みという反応があったことを、歯科衛生士に伝えることは検査情報としても大切です。歯周病の状態を知るため、歯を1本1本丁寧に診ていきます。
    歯の全周囲のポケットを、器具でなぞるように検査します。検査表には、そのときの深さを記録します。1本の歯の周囲を6分割し6点の深さを記録します。この深さは、深ければ深いほど歯周病が進行していることを示します。

    数値で表すことで、どのくらい悪いのか良いのかがわかりやすく伝わります。
    さらに、この器具で歯周ポケットなぞると出血してくることがあります。この出血するかどうかというのは、歯周病の進行具合の評価として、そしてご本人に理解してもらいたいこととして、とてもとても重要なことなのです。炎症の診断に大切なのが、この出血なのです。

    前述したとおり、痛くない検査で出血するのかしないのかを診ています。健康な状態は、炎症がないので出血しないのです。
    器具を挿入しながら、歯周ポケットの深さを測り出血の有無を確認し記録しています。

    このポケット検査は、ご自身にわかってもらいやすい歯周ポケット深さ、出血だけじゃなくいろいろとたくさんのことがわかります。
    はぐきの弾力や形、色、質感。歯の根の形や曲がり方。歯周ポケットの中にある歯垢の量、歯石の量、歯石の付き方。歯の根の股のところにある炎症、歯石、病気。それ以外に、検査時に見える唇や舌や頬の状態、歯の並びやかみ合わせ、歯の喪失などなど。
    はぐきの検査から得られる情報はとても多いのです。
    そして、検査を記録するのは、重症・軽症を知るばかりでなく、進行状態をみていくという経過を追うことが大切だからなのです。
    針じゃなく、いろいろな情報を得るために”プローブ”という器具を使って診ているのです。


  • 2018.11.10

    すごいんです、だ液。

    むし歯予防にだ液が大切って、もう覚えてくれましたか。

    先日来院した2才のお嬢さんのお母様がお話ししてくれました。
    「市の2才児検診でだ液のph検査をしたんです。そしたら、7だって言われて。嬉しかったです。」

    わかりますか??
    ph7は‟中性“ってことなんです。

    子どものむし歯予防には、だ液の活躍が期待されるのをわかっているお母さんだからこその発言です。

    むし歯菌は、酸性の環境で栄養を取り入れます。そして、酸を出して歯を溶かします。

    口の中が、だ液が酸性に傾いている時にむし歯になる可能性が高いのです。

    食事をすると、口の中は酸性になります。甘い物を食べると、それがむし歯菌のえさになります。

    食べた後、酸性になった口の中を中性に戻してくれるだ液。普段から、できるだけたくさん出るように訓練しましょう。

    よく噛むことです。

    食事中にたくさんかむことで、だ液は出やすくなっていきます。食べている時は、消化を助けることに一生懸命なだ液です。

    食べてない時は、むし歯予防に働くのです。

    さらに、生えたての歯にカルシウムを送り込むのです。より丈夫な歯へと成長させていくのも、だ液あってこそです。

    食べてない時にむし歯予防に働くのなら、食べてない時間も大切です。食べていない時間が長いと、むし歯になりにくくなるのです。

    だ液がむし歯予防に活躍してくれる時間が長いからです。

    子どものむし歯予防に、だ液が大活躍!!むし歯が生活習慣病ともいわれる理由の一つです。

     

     

  • 2018.10.26

    歯ブラシの硬さは?

    自分の普通が、人にとっての普通じゃないことは多いもの。人の普通が、自分にとっての普通じゃないことも多い。じゃあ、普通って何なのでしょう。

    「ハブラシのかたさは、何をお使いですか?」

    『普通です』

    歯科衛生士として、いつも疑問に思う言葉です。市販のハブラシの普通のかたさが、皆おなじじゃないのです。それぞれのメーカーの統一されてない表示なのです。

    歯間ブラシの太さもそうです。”SS”と表示されていたとしても、すべてのメーカー共通ではないのですよ。一見似た太さに見えても、毛のかたさの違いで使いやすさも変わってきます。きれいにできるかどうかも、変わってきます。

    あらためて、市販品の選択肢の多さにびっくりします。歯科衛生士になって間もなくの頃は、市販のブラッシング道具をすべて使おうと思って買い試していました。今じゃ、全部試すなんて到底無理です。あまりの種類の多さに、ため息が出るほどです。

    結論として、応用のきくシンプルなものが使いやすいです。効果的にきれいになります。ギザギザだったり、ゴムが毛の中に入りこんでいたり、変わった形のものは
    難しすぎます。

    惑わすコピーにだまされないでくださいね。

    『歯医者さんおすすめと書かれていたから』

    『歯医者さんが考えたはぶらしと書かれていました。そうなんでしょう。』

    『歯医者さん推奨だから、良い商品よね』

    私たちは、言葉に魅かれるし、言葉にだまされます。ぜひ、あなたの口の中を見てすすめてくれる道具を使ってもらいたいです。

    かかりつけの歯科医院でかかりつけの歯科衛生士と一緒に、あなたにすすめる
    使いやすい道具をさがしていきましょう。

  • 2018.10.13

    誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)って?

    日本の死因のベスト5に必ず入っている肺炎という病気。
    高齢者の病気と理解されている方も多いのではないでしょうか。
    高齢で、体力が低下している人にそのリスクはあがります。そして、お口の状態の悪化が加わると、急激にそのリスクは上昇します。お口の状態が悪いと、若くたってそのリスクを抱えています。

    お口の状態が良いということをまとめてみましょう。

    1. お口の中が清潔であるということ

    2. ちゃんと噛めるということ

    3. 安全に飲み込めるということ

    食事中に、『変なところにはいってしまった』と大きく咳をしたりむせることはありませんか??

    口の中の食べ物と空気の分かれ道を誤った時に起こる状態です。空気が入るべきところに、食べ物が入ってしまったからです。これを、誤嚥(ごえん)といいます。誤嚥がひきおこす肺炎を、『誤嚥性肺炎』というのです。

    間違って肺のほうに食べ物、飲み物が行ってしまって大きくむせること。これは、わかりやすい誤嚥です。

    実は、本人も知らないうちに食べ物やだ液が肺に入ってしまうこともあります。寝ているうちに入ることもあり、気づくこともできない場合もあります。決して、珍しいことではないことを知っていただきたいです。

    日々、お口のだ液が肺に入り込んでいることは普通のことなのです。だから、お口のケアが大切なんです。肺炎の方の”たん”に、お口の細菌がいるそうです。口の中のばい菌が、口の中から肺に入り込んで悪さをした結果が肺炎という病気なのです。

    お口の中を清潔にしましょう。体を守るために、お口を清潔にするとお口の中が敏感になっていきます。
    おいしさを感じやすくなります。

    食べる喜びに大きくかかわってくるはずです。

  • 2018.09.01

    プレママパパに伝えたいこと

    お腹に新しい生命体が宿ること…….神秘的です。その生命体は、体内で過ごす長いようで短い時間にどんどん成長していきます。妊娠に気づいていないだろう胎生7週頃から、歯の最初の芽が造られ始めます。少しづつ、確実に形づくられるすべての器官のために、バランスのとれた栄養摂取が大切です。つわりのある時は無理をしないで、出来る時から心がけてください。

    お母さんが心がけていた栄養を得て、さらに生まれてから子ども自身が摂った栄養によって歯は出来あがっていきます。いずれはえてくる歯の中で、一番力があり、噛むために一番大切な歯=第一大臼歯(通称6才臼歯)。
    この歯は、歯の芽ができて、根の先まで完成するのに10年半ほどの長い長い時間がかかります。
    この大切な子どもの歯を守ってあげたいという、ご両親の熱い思いを強く感じます。

    むし歯は、感染症で生活習慣病です。むし歯菌が、口の中に存在していないとむし歯にならないのですが・・・・・・・

    身近な大人の口の中にいるむし歯菌が、だ液を介してうつってしまうのです。多くの場合、お母さんお父さんからうつってしまうのです。

    ならば、お母さんお父さんの口の中のむし歯菌を減らすことが大切です。

    1. むし歯の治療をすること

    2. むし歯菌が含まれるプラークと歯石を取り除くこと

    まず、歯科医院で出産前検診を受けていただきたいです。出産前検診を受けていただきたい理由が、まだまだあります。

    お腹の中でも赤ちゃんが健康に成長してほしいと思うのが、親心です。妊娠している時に、もしかしたら胎児にいい影響を与えないかも…….と、お薬を控えたり、たばこ・アルコールをやめたり、自転車の運転を控えたりしますよね。

    プレママにぜひ歯科検診を受けていただきたい【医学的理由】があります。

    それは、歯周病菌が早産や低体重児出産のリスクを高めるからです。口の中の歯周病菌が多いと、このリスクが5倍以上になると言われています。人間の体は、ひとつです。口の中の良くない菌が、全身に影響を及ぼすのも当然と言えます。

    口の中に歯周病の炎症があると、子宮を収縮させる炎症物質が血液の中に入りこんで体をめぐります。

    歯周病がひどくなる

    はぐきから血が出る

    子宮を収縮させてしまう炎症物質が血液の中に入りこむ

    子宮が出産の合図とかんちがいする

    早々の出産となる

    早産や低体重児の出産につながることになる

    20年以上前の母子手帳には、口の健康については『歯の病気は、妊娠中に悪くなりやすいものです。・・・・日頃から、口の衛生に十分心がけることが大切です。』という程度のことしか書かれていません。

    現在は、歯周病の炎症が引き起こすリスクについても、しっかりと書かれています。
    プレママパパに減らしてもらいたいものの一つが、歯周病菌なのです。妊娠期間中は、子どもや体について意欲的に学びたくなる貴重な期間です。
    ご自身の体の変化に、辛く感じることもあるかもしれません。でも、ご自分の声を聞きながら、行動することがこれからの赤ちゃんの人生に大切なことであると思います。

    出産前にしていただきたいお口の中のことが…….

    ①歯のチェック

    ②歯肉のチェック

    ③専門家による歯の検診

    ④専門家による歯のクリーニング

    ご自分の今を知ってもらうためのお口の検診です。今現在の状態を理解していると、変化があった時に気づくことができるでしょう。今の状態を、今できる良い状態に近づけることで健康を理解できるでしょう。

    欠かさず毎日使う歯の、クリーニングをしてもらいましょう。

    毎日毎日使っているものには、垢がたまってきます。ツルツルした茶碗にも茶渋がつくように、つやつやとした歯にも渋がついてきます。きれいだと思っている歯も、徹底クリーニングをするとその色やつやの変化に驚くことでしょう。

    ガスコンロ・エアコンの徹底掃除や浴室の徹底掃除、を体験したことがある人なら、リアルにわかるでしょう。色が変わります。輝きが変わります。臭いも変わります。どんなにきれいにしていたつもりでも、確実に汚れていたことに気づきます。

    これは、ご自身を通じて、わが子の口をみること、口の中の変化に気づくことができるママパパになる訓練なのです。

    予防歯科は、健康な人が通うところです。赤ちゃんが生まれる前に、かかりつけの歯科を見つけてほしいです。赤ちゃんのお口の中の変化は、大きいです。ママパパが気づいてあげて欲しいのです。

    育児は大変な変化の連続です。相談してこたえをもらえる歯科医院を見つけておいてほしいです。