【幼児・小学生の歯科知識16/29】乳歯から永久歯へ:生え変わりの順番と注意点

みなさんは、自分の歯が小さいころからずっと同じだと思いますか?
実は、人の歯は一生のうちに一度生え変わります。
生まれてすぐに生え始める 乳歯(にゅうし) が、その後小学校くらいから 永久歯(えいきゅうし) に生え変わっていきます。
このコラムでは、乳歯がどのように抜けて、永久歯がどのように生えてくるのか、その順番や気をつけたいことを、みなさんにもわかりやすく説明します。
歯は一生つかう大切な体の一部なので、正しい知識をもって大事にしていきましょう!
◆ 乳歯ってどんな歯?
乳歯は「子どもの歯」と呼ばれ、小さくて白くて、形がちょっと丸いのが特徴です。
赤ちゃんのときに生え始めて、小学生から中学生くらいまで使います。
◎乳歯の役割
乳歯にはこんな大切な役割があります。
- ごはんをかみくだく
- はっきりした発音を助ける
- あごの骨の成長をうながす
- 永久歯が正しい位置に生えてくるための“ガイド”になる
どのこともとても大切。
乳歯が早く抜けてしまうと、永久歯が変な方向に生えてきてしまうこともあります。
◎乳歯はいつ何本生える?
乳歯は全部で 20本。
前歯(まえば)から生え始めることが多いです。徐々に奥の歯まで生えてきます。
生える順序は、個性があります。
必ずしも、順番に生えるわけではなく1本飛ばして生える場合も多いです。
◆ 永久歯ってどんな歯?
永久歯は「おとなの歯」で、いったん生えてきたら生え変わりはありません。
一生ずっと使う歯なので、乳歯よりも強くて大きいのが特徴です。
◎永久歯の本数
全部生えると 28本(親知らずを入れると32本)。
乳歯よりも多いのは、食べる量が増えて、かむ力が必要になるからです。
◎永久歯はいつから生える?
一番早い永久歯は、小学1年生より前 に生えてくることもあります。
乳歯の後ろには「6歳臼歯(6さいきゅうし)」という大きな永久歯が生えてきます。
◆ 乳歯から永久歯へ:生え変わりの順番
生え変わりは、大体このような順番で進んでいきます。
◎ 6歳ごろ:永久歯「6歳臼歯」が生える
これは乳歯の下から生えてくるのではなく、
いちばん奥のまだ歯がなかった場所に生える 特別な歯です。
大人になって、自分の体重と同じくらいの力を発揮できる力持ちの歯になります。
6歳臼歯はとてもむし歯になりやすい歯なので、早い時期から注意が必要です。
◎ 前歯が抜けて生え変わる(6~8歳)
まずは下の前歯から抜け、そのあと上の前歯が抜ける子が多いです。
- 下の前歯(中切歯・ちゅうせっし)
- 上の前歯(中切歯)
- 下の横の前歯(側切歯・そくせっし)
- 上の横の前歯(側切歯)
この時期、歯がぐらぐらして気になります。
◎ 犬歯(糸切り歯)や奥歯が生え変わる(9~12歳)
少しずつ奥の歯や犬歯が生え変わっていきます。
だいたい小学校高学年ごろまでに順調に生え変わります。
◎ 最後の大きな奥歯「12歳臼歯」が生える(11~13歳)
6歳臼歯のさらに奥に、もう1本歯が生えてきます。
これが 12歳臼歯。
永久歯の中で大きく、かむ力を支える存在です。
★ 生え変わりは人それぞれ
- 歯が早く抜ける子
- なかなか抜けない子
- 生える順番がちょっとちがう子
いろいろいますが、多くの場合は自然とおさまります。
不安なときだけ歯医者さんに相談しましょう。
◆ 生え変わりのときに気をつけたいこと
◎ ぐらぐらしても無理に抜かない
手でひっぱると、根が残って出血したり、細菌が入ったりすることも。
自然と抜けるのを待つか、気になるなら歯医者さんで安全に抜いてもらいましょう。
◎ 永久歯が「裏側」から生えてくることがある
特に下の前歯ではよくあります。
しかし多くの場合、乳歯が抜ければ永久歯は自然に前の方に動いてきます。
◎ 生えてきたばかりの永久歯は柔らかい
実は…永久歯は生えた瞬間はまだ未完成!
歯の表面のエナメル質が固くなるまでに 2~3年 かかります。
そのため、
- むし歯になりやすい
- 汚れがつきやすい
という弱点があります。
◎ 歯肉(歯ぐき)がむずむずして痛い
生え変わりではよくあることです。
歯ブラシでやさしくお掃除するとラクになります。
◎ 見た目が気になっても心配しすぎない
「すきっ歯になった!」
「歯が大きい!」
「色が少し黄色い!」
生えたばかりの永久歯は乳歯よりも大きく、色が少し黄ばんで見えることがありますが、これも正常です。
◆ 生え変わり期にむし歯を作らないために
乳歯も永久歯も、むし歯になると痛いし、治療もたいへん。
特に生え変わり期の歯は、むし歯のリスクが非常に高いので注意が必要です。
◎ 6歳臼歯を守る
生えたことに気づきにくく、かみあわせの溝が深くて磨きにくいため、むし歯になりやすい歯です。
コツ:
- 小さな歯ブラシを奥までいれる
- 口を大きく開けながらみがく
- 親の仕上げみがきで6才臼歯を虫歯から守る
◎ 生えたての永久歯は特にていねいに磨く
エナメル質が弱い期間を乗り切ることが重要。
◎ フッ素(フッ化物)を活用する
- フッ素入り歯みがきペースト
- 歯医者さんでのフッ素塗布
- フッ素うがい
これらは歯を強くしてむし歯を予防します。
◎ 歯と歯の間はフロス
生え変わりの時期は歯が重なりやすいので、フロスの習慣をつけるととても良いです。
◎ 定期健診を受ける
1~3ヶ月に1回のチェックで、むし歯や歯並びのトラブルを早期発見できます。
◆ 歯並びに関する心配ごと
生え変わりの時期は、歯並びがガタガタになったり、すき間が広くなったり、見た目が気になることがよくあります。
◎よくある心配
- 前歯が大きい
- すき間が空いている
- 下の歯がガタガタ
- 犬歯が高い位置にある
こうした状態は「成長途中では普通のこと」で、多くは自然に整っていきます。
ただし、あごが小さくて歯が並びきらないケースもあるので、心配なときは歯医者さんへ。
◆ 乳歯を長く大切にしよう
乳歯は「どうせ抜けるからいいや」と思う人がいるかもしれません。
でも乳歯の健康は永久歯に大きな影響を与えます。
乳歯がむし歯になると…
- 永久歯がむし歯になりやすくなる
- 永久歯が曲がって生えてくる
- 顔の骨の成長に影響する
などの問題が起こることがあります。
乳歯も永久歯と同じくらい、しっかり守ることが大切です。
◆ まとめ:生え変わりは「成長の大事なステップ」
乳歯から永久歯への生え変わりは、子どもの成長の中でもとても大切な出来事です。
順番には個人差があるので、あわてたり心配しすぎる必要はありません。
大切なポイントは…
- ぐらぐらしても強引に引き抜かない
- 生えはじめの歯はむし歯になりやすいことを理解する
- 6歳臼歯と12歳臼歯はしっかりと親子で守る
- フッ素やフロスで予防を強化
- 気になることは歯医者さんへ
永久歯は一生もの。
この時期のケアが未来の歯の健康を左右します。
親子でしっかりお口ケア!「歯を大切にする習慣」を身につけていきましょう!
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
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