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2018.02.17
歯周病、治りましたか??
定期的に健診を受け続けて、プロのクリーニングを受けてくれている方に聞かれることがあります。
『私の歯周病、治りましたか??』歯周病は完治するのかというと、答えはNOです。歯周病治療によって、歯周病菌が減ってくると歯肉やその周りの組織の状態は改善してきます。それはとても大切なことで、目に見えて良くなった証拠です。でも、歯周病菌と歯周組織が安定した共生環境を保っているだけであることも理解していただきたいと思います。
常在菌である歯周病菌を、口の中から完全に排除することはできないのです。この歯周病菌は、べたべたと強固に歯にくっつくバイオフィルムという菌の集合体の一部となり常に再発を狙っています。つまり、歯周病菌が常在菌であるがゆえに完治はないということです。
バイオフィルムは、接着性が高く、粘着性にも富んだ物質です。歯の表面で、大きなカバーで守られている状態で歯周病菌は増殖するのです。しっかりと歯にくっつき、べたべたとしたものは外からの攻撃に対してびくともしなくなるのです。もちろん、消毒殺菌液も侵入できません。だから、定期的に歯科衛生士によるバイオフィルムの除去が、歯周病を進めないために必要なのです。
口の中の症状が落ち着いていても、歯周病の再発はよくあることなのです。歯周組織と歯周病菌が、ともに存在していて安定していること、つまり口の中の均衡状態を守るのが定期健診、プロのクリーニングなのです。
完治はしなくても、進まないで安定を保つことで、お口の健康を感じることができるはずです。
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2018.02.03
歯はかたいの? やわらかいの?
私たちは、肉・魚・野菜などいろいろな食べ物を口からとって生きています。なんでも食べられるように、丈夫でいろんな形の歯を口の中に持っているからできることです。歯の表面のエナメル質という白い色をした組織は、体の中で最も硬い組織です。この硬いエナメル質が溶けてしまうのがむし歯です。むし歯菌の働きは、かなりのものです。
乳歯のむし歯の好発部位は、一番見やすい『上の前歯のど真ん中』です。2歳になるころから要チェック箇所です。そして、3歳頃にむし歯になりやすいところは、『乳臼歯の溝と間』です。就園前後で大きく生活環境が変わる時期であり、離乳食が完了し、幅広い食への興味が増すときであると同時に、おやつとして甘い食べ物を覚える時期でもあるからです。
でも実は・・・歯には”むし歯になりやすい時期”があるのを、ご存知ですか?永久歯=大人の歯のことを考えると、小学生の時期が特にむし歯になりやすいのです。はえたばかりの歯、はえたばかりの永久歯はとてもやわらかい状態です。まだ十分に硬くなっていないということです。
歯は、はえてから3年ほどの時間をかけて硬くなるのです。骨の中にあるときは、血液のミネラルによって硬くなり、歯がはえてからは、だ液の中のミネラルがくっついてもっと硬くなります。さらに、フッ化物を使うことによって効果的に硬くなるのです。
あらためて、歯がはえてから3年の間がむし歯予防の大切な時期ということです。
(注意)歯によって、はえる時期は異なりますのであしからず。
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2018.01.19
むし歯菌の感染
歯のない赤ちゃんは、ミュータンス菌を持っていません。歯に住みつくミュータンス菌ですから、歯があってこそ存在できるのです。生まれて数か月も経つと、下の前歯がはえてくることがほとんどです。ミュータンス菌は、たいていの場合、ご家族やほかの養育者からの感染です。
赤ちゃんの口の中に入ったミュータンス菌が、口の中に定着し、やがてプラークを形成し、むし歯を作る原因になってしまいます。だから、家族からの感染を防ぐために”使っている食器や箸などを共有しない” ”口の中で細かくしてから食べさせることをしない”などのことが考えられます。だけど、赤ちゃんにとってお母さんやお父さんが食べているものこそが、『美味しそうなもの』『安心』『安全』なものなのです。
もし身を乗り出してまで欲しがるのであれば、ぜひその気持ちを満たしてあげてほしいと思います。子どもにとって、美味しさは信号ではなく『感情』なのです。一緒に食べる喜びも、美味しさを引き立てるものだと思います。食事は、楽しく成長を感じる場所にしましょう。
ブラッシングや食習慣が適切であれば、
・食具は使い分けなくてもいい
・母子感染によってむし歯になるとは限らない
・子どもとのスキンシップを控える必要がない
・食品を冷やすために息を吹きかけてもいい
子どもの口の健康のために、お父さんお母さんの口の健康を保っていただければ問題ないのです。 -
2018.01.05
増える高齢者、大切な口の健康
日本は、世界的に最も早いスピードで、超高齢化社会を迎えているそうです。そして、歯科疾患実態調査によると、すべての年齢において保有している歯数が増加しているのです。
1989年から実施された『8020運動』の成果であり、歯科医院が増えたことで歯科に通いやすくなった、長期的な管理の必要性を認め『定期健診という受診』を求められるようになったということの結果です。そして、歯周病が全身に及ぼす影響が理解されるようになってきたのです。それらのことが理由で、セルフメインテナンスとプロフェッショナルメインテナンスを継続してくれているからなのです。
健康を守るために、歯周病むし歯問題を考えることは大切なことなのです。
口の健康が守られていると、
①人生と大きくかかわっている食事を楽しむことができます
②医科医療費が抑えられます
③認知症の発症リスクが抑えられます
④免疫力の低下した高齢者の方に多い誤えん性肺炎の予防になります
⑤命にかかわる心疾患、血液疾患など全身疾患の予防になります
インフルエンザの予防にも、口腔ケアが入っていることを考えると、口の重要性を改めて考えさせられます。
命の入り口、健康の入り口との理解がもっともっと深まればいいなあと思う毎日です。 -
2017.12.23
歯みがきしない?!
①フッ素利用で歯の質の強化
②ブラッシングなどでむし歯菌の減少
③甘い物のコントロール
これらのことと
④時間との関連
を考えてむし歯ができにくい生活習慣を確立すること。これが私たちの考えるむし歯予防です。全てのことを完璧にするのではなく、それぞれのことでできる範囲でやっていくことが大切なのです。
でも、先日 ”歯科医同士の夫婦の実験。4人の子どもに歯を磨かせなかった話”という本に興味を持ち読んでみました。
世界のいくつかの地域に住む伝統食を食べ続けている先住民族の『健康な歯』『大きなあご』を知り、夫婦で決意した実験だそうです。
子ども4人に歯みがきすることをやめ、毎日伝統食を食べることを決めたそうです。
この先生の決めた伝統食とは、ごはん、みそ汁、漬物を中心とし季節の野菜や魚介類を摂るという和食でした。飲み物は、水かお茶。砂糖、油は調理の過程でも控えめにして、おやつはメリハリをつけて与えたそうです。
そして、何を食べるか以上に「どう食べるか」を確立し、決められた食事時間とおやつ時間にしか食べ物を口にさせなかったそうです。
このルールを守り続けて、12歳まで歯みがきをしない生活で4人の子どもたちは、むし歯が1本もできなかったそうです。
「何を食べるか」と「どう食べるか」を理解してもらうことが不可欠とまとめられています。
この本の筆者の先生は、歯科医だからこそ大きな決断による実験ができたのだと思います。私は、むし歯が生活習慣病である証明事例をいただけました。
私たちが、ここまで徹底した習慣を貫くことはあまりにも難しいことだと思います。
むし歯予防をするいくつかの方法を知り、取り入れられることを選んで、選んだら実行することが大切だと考えます。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
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