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【幼児・小学生の歯科知識21/29】 歯が痛いときのサインと応急処置

【幼児・小学生の歯科知識21/29】 歯が痛いときのサインと応急処置






歯が「ズキズキする」「食べるとしみる」「かむと痛い」——
こんなとき、実は歯は「困ってるよ」「助けて~!」とサインを出しています。




歯の痛みは、むし歯だけが原因ではありません。歯ぐきのトラブル、かみしめによる負担、食べ物がはさまっただけのこともあります。でも、どんな原因でも放っておくと悪化して、もっとつらくなることもあります。




このコラムでは、




  • 誰でもわかる「歯が痛くなるサイン」
  • 痛みが出たときに家でできる「応急処置」
  • 絶対にやってはいけないこと
  • 歯医者さんに行くべきタイミング



をわかりやすくまとめていきます。









1. 歯が痛むってどういうこと?




歯の痛みは、歯の内側にある「神経(しんけい)」が刺激を受けている状態です。神経はとても敏感で、「熱い」「冷たい」「圧(おす力)」「炎症(赤くはれること)」などを感じ取り、痛みとして脳へ伝えます。




痛みが出るしくみ・簡単解説




歯の表面は、エナメル質という硬い壁で守られている。




でも、むし歯で穴が開いたり、歯ぐきが下がって根元が見えたりすると、神経に近いところが刺激される。その刺激が痛いと感じるのです。




つまり、痛みは「何かがおかしいよ」という大事な警報(けいほう)なんです。









2. 歯の痛みのいろいろな種類




「歯が痛い」といっても、感じ方はさまざま。
種類によって原因がちがうこともあります。




① 冷たいものがしみる




氷水、アイス、冷たいジュースを飲んだときに「キーン!」とする痛み。




考えられる原因




  • むし歯の初期
  • 歯ぐきが少し下がって根元が見えている
  • 歯の表面がすりへっている
  • 大きくかみしめて歯に負担がかかっている



② 熱いものがしみる




スープやお味噌汁でズキっと痛む。




考えられる原因




  • 神経の炎症(むし歯がすすんでいることも)
    → 早めに歯医者さんへ!



③ かむと痛い




パンをかんだとき、給食のときなど「ガンッ」と響くように痛む。




考えられる原因




  • 食べ物が歯の間にギュッとはさまって歯ぐきが炎症を起こしている
  • 歯にヒビが入っている
  • かむ力の強いクセ(食いしばり・歯ぎしり)
  • むし歯



④ じっとしていてもズキズキ痛む




これは危険サイン。夜に痛みが強くなることも。




考えられる原因




  • 神経が炎症をおこしている
  • むし歯が大きく進んでいる



→ すぐに歯医者さんへ行く必要があります。









3. 家でできる応急処置




痛みを完全に消すことはできないけれど、悪化をふせぐことはできます。




① 口の中をきれいにする(ぬるま湯でうがい)




汚れが残っていると炎症が強くなることがあります。




✔ ぬるま湯(冷たすぎず、熱すぎない)でうがい
✔ 食べ物がつまっている場合は歯ブラシやデンタルフロスでやさしく取る
(ゴシゴシこすらない)




② 冷やす(外からそっと)




ほほの外側から濡らして冷たいタオルで軽く冷やします。
※ 冷やしすぎると逆効果。




③ 痛みが強いときは大人に相談して市販の痛み止めを使うことも




子どもに使っていい薬か、大人が必ず確認すること!
(自分で勝手に飲まない)









4. 絶対にやってはいけないこと




これは悪化させる原因になります。




① 痛い部分を強く押す




→ 炎症が悪化して、さらにズキズキします。




② 温める




→ おふろで痛みが強くなるのは、血流が増えて炎症が悪化するため。




③ 「治ったかな?」と舌や指でさわり続ける




→ ばい菌が入りやすく、治りが遅くなる。




④ 家で放置する




→ 痛みは自然には治らないことが多いです。









5. 歯医者さんに行くべきサイン




こんなときは、なるべく早く歯医者さんへ。




  • じっとしていても痛い
  • 夜中に目が覚めるほど痛い
  • ほほが腫れてきた
  • 熱いものが痛くて食べられない
  • フロスを通すと毎回痛くて出血する
  • 同じ場所を何回もむし歯で治している



痛みは、体からの大事なSOS。
お医者さんにみてもらうのがいちばん確実です。









6. 歯の痛みを防ぐために今日からできること




毎日の習慣で、痛みはぐっと減らせます。




① 歯ブラシ × フロスでしっかりキレイにする




歯ブラシだけだと、歯の間の汚れは取れません。
幼い頃からフロス習慣をつけると、将来むし歯が激減します。




② 甘いものは“時間を決めて”




ダラダラ食べはむし歯の大きな原因。




③ 寝る前の歯みがきは絶対に手を抜かない




寝ている間はばい菌が大よろこびで増えるからです。




④ かみしめ・歯ぎしりに注意




朝起きたときにあごが疲れている場合は
歯医者さんに相談するといい。




⑤ 定期健診に行く習慣をつくる




痛くなくても行くのがポイント。
早期発見なら痛みも治療も少なくてすむからです。









7. 歯が痛いときは「がまんしない」がいちばん大事




学校が忙しかったり、苦手で行きづらかったりして
つい我慢してしまう子もいます。




でも、歯の痛みは自然に治ることが少ないので、
早めに対処した方が絶対にラクで、治療も小さくてすみます。




痛みのあるときは、




  • 家族に必ず伝える
  • 応急処置をする
  • 歯医者さんで見てもらう



これがいちばん安心・安全な流れです。









まとめ




  • 歯の痛みは体からの大事なサイン
  • 冷たい・熱い・かむと痛い・ズキズキなど痛み方で原因が異なる
  • 家でできる応急処置は「うがい」「冷やす」「清潔にする」
  • 押す・温める・放置するはNG
  • 悪化する前に歯医者さんへ
  • 毎日の予防が、痛みゼロの未来を作る



歯は、一生つかうとても大切な体の一部です。
サインを見逃さず、やさしくケアしてあげることで
ずっと元気で丈夫な歯を守ることができます。