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【幼児・小学生の歯科知識15/29】シーラントで奥歯の溝を守ろう

【幼児・小学生の歯科知識15/29】シーラントで奥歯の溝を守ろう






奥歯の「みぞ」って知ってる?




大人の歯は、上の歯と下の歯を合わせて32本あることを聞いたことがありますか?
乳歯は20本ですが、小学生になると乳歯がぬけて大人の歯(永久歯)がはえてくる時期です。




そして、その大人の歯の中でも噛むために大切なのが奥歯(おくば)
奥歯は、食べものをすりつぶすために、とても大きな力を使っています。




ところがこの奥歯には、深くて細かい“みぞ” がたくさんあります。
指でさわってもツルツルしているように感じるかもしれませんが、実はのぞいてみると、まるで山の谷間のように入り組んでいるのです。




この「細くて深いみぞ」に食べもののカスやばい菌が入りこみやすく、むし歯ができる原因になります。




そこで活やくするのが、今回のテーマ「シーラント」です。









シーラントってなに?




シーラントとは、むし歯になりやすい奥歯の“みぞ”に、
透明〜白色のプラスチックの薬(レジン)を流し込んでうめる予防処置 のことです。




✔ 痛い? → 痛くないよ!
✔ 歯を削る? → 削らないよ!
✔ どれくらい時間がかかる? →数本で10分程度




とてもかんたんで、むし歯ができやすい小学生にぴったりの予防法として、世界中で使われています。









どうして奥歯の溝はむし歯になりやすいの?




小学生のむし歯は、奥歯のかみ合わせの面にできやすいのです。
その理由は3つです。




① とにかく溝が深くて細く複雑!




歯ブラシの先でも届きにくい、細くて複雑な形をしています。




② よく使う歯だから汚れもたまりやすい




食事のたびに強くかみしめるので、汚れもはさまりやすい。




③ 生えたばかりの永久歯は弱い




エナメル質がまだ未熟で、むし歯の進行が早いことも。




こうした理由から、奥歯は“むし歯のスタート地点”になりやすいのです。









シーラントのしくみをわかりやすく説明!




シーラントは、奥歯の溝をコーティングして守る働きをします。




仕組みはとてもシンプル:




  1. 深い溝に薬を流す
  2. みぞの底までしっかり入りこむ
  3. 光を当てて固める
  4. 汚れが入りにくくなる
  5. むし歯になるリスクが激減!



まるで、ざらざらの道にすべり止めコーティングをするようなイメージです。




シーラントの薬には、少量ですがフッ素を放出するタイプのものもあり、歯をさらに強くしてくれます。









シーラントはどの歯にするの?




シーラントは、乳歯にも永久歯にも使えます。




特にむし歯になりやすいのは…




① 6歳臼歯(第一大臼歯)




小学校1年生頃に一番奥に生えてくる、とても大切な歯。
むし歯になると食べる力も弱くなり、一生にかかわる大問題。




② 小学校3〜4年で生えてくる永久歯の奥歯




だんだん歯並びにも奥歯が増えていくので、この時期も要注意。




③ 溝が特に深い乳歯




乳歯なのに意外とむし歯になりやすいので、必要に応じてシーラントを行います。









シーラントの手順を知ろ




シーラントは、次のような流れで進みます。









① 歯のよごれをきれいにする




ブラシや超音波の機械で丁寧にお掃除します。




歯の表面を処理する




② 歯を乾かす




シーラントは水に弱いので、歯をしっかり乾かします。




③シーラントを溝に流しこむ




④ 専用の光を当てて固める




青い光を数秒当てると、すぐに固まります。
もちろん痛みはありません。




⑤ 完成!かみ合わせをチェック




高すぎたり違和感がないか確認します。









シーラントは何年もつの?取れたらどうなる?




シーラントは半永久的に残るわけではありません。
歯の使い方や食べもの、かむ力によって、だんだんすり減ったり、かけたり、取れたりすることがあります。




だからこそ…




🦷 定期健診でチェックが必要!




もし取れたまま放置すると、そこからむし歯になることがあるため、
見つけたらすぐに再シーラントをしてもらえば安心です。









シーラントは安全?副作用は?




シーラントは世界中で長年使われている安全な予防法です。




✔ 歯を削らない
✔ 痛くない
✔ 子どもに優しい
✔ アレルギーリスクも極めて低い




むし歯予防効果が高いことが科学的にも証明されています。









シーラントをしたからといって油断は禁物!




ここがとても大切です。




シーラントをしても、むし歯が“絶対に”できないわけではありません。




理由は…




・歯の横の部分にはシーラントがない
・だらだら食べをしてしまう習慣はむし歯になりやすい
・歯ブラシの仕方が不十分
・甘い飲み物が多い など




むし歯は生活習慣とも大きく関係しています。









シーラントを長持ちさせるコツ




① よくかむ食べ方を心がける




歯の表面に必要以上の負担をかけないことが大切です。




② 歯ブラシをていねいに




毎日のケアがむし歯を防ぎます。




③ だらだら食べをしない




むし歯菌が大好きな状態をつくらないようにしましょう。




④ 定期健診を忘れない




取れた部分を早く見つけてもらうためです。









シーラントは“守りの力”を与える魔法のコート




シーラントは、奥歯の溝を守るための「歯のよろい」のようなもの。




・むし歯になりやすい部分をカバー
・歯ブラシが届きやすい状態を作る
・フッ素が歯を強くする




生えたばかりの歯を守るために、とても頼りになる存在です。









まとめ:シーラントで一生ものの歯を守ろう!




奥歯の溝は、むし歯菌のかくれんぼの名人。
その溝をやさしく守ってくれるのがシーラントです。




✔ 痛くない
✔ 削らない
✔ 効果が高い
✔ 生えたての歯にぴったり




これらの理由から、日本だけでなく世界中の歯医者さんで行われている、安全で信頼できる予防法です。




むし歯になってから「痛い…治療いやだ…」と困る前に、
むし歯になる前に予防することが、とても大切。




定期検診と合わせて、シーラントを上手に使いながら、
未来の自分の歯を、しっかり守っていきましょう!