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2017.11.25
歯が作られる時期
学生の頃、生物の授業で体内の受精卵は分裂しながら形を変えて成長していくと習いました。
その見た目の変化が、今から何億年も前の進化によく似ていると話してくれたことに興味を覚えました。
体内で育つ胎児は、球 魚 両生類 は虫類 鳥類 哺乳類と進化していくように見えるのです。
歯のでき始めは、胎生6週頃と言われています。
まだ、妊娠に気づいていないかもしれない”魚のような胎児”の口の中に、歯の芽はできているのです。
しっかり噛む機能と力を兼ね添えた永久歯が出来上がる前に、乳歯は食事、発音、骨の成長発育、後に萌える永久歯の誘導のために大切な役割があります。
実際萌えてくる時期がいろいろですが、乳歯と大半の永久歯のもとが完成するのは妊娠中です。おなかの赤ちゃんの歯を丈夫にするための栄養を心がけましょう。
歯のもとの基礎作りには、肉魚などのたんぱく質が大切です。
歯のもとができたら、徐々に硬い組織が作られていきます。
ミネラルを意識して摂るといいでしょう。
妊娠したら、カルシウムをたくさん摂りましょうと言われるのは、歯や骨の硬い組織を作るのに大切だからです。
カルシウムの吸収には、海藻に多く含まれるマグネシウム、肉魚に多く含まれるリン、それからビタミンDも必須です。
他に、ビタミン類、葉酸も相互に作用しながら体内に取り込まれる大切なミネラルです。
歯の完成のためには、ミネラルを意識したバランスの良い栄養をとるということに尽きます。
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2017.11.11
自分の歯の写真
自分の歯を客観的に見たことはありますか?
当院では、口の中の写真を撮ることがあります。大人も子どもも撮った写真に興味津々で、モニターに映し出された自分の写真を眺めます。子どもは、自分の歯の写真を見ると大喜びします。
大人の感想は・・・。
意外だったのですが、誰一人として ”きれい” ”素敵” ”美しい” などのポジティブな感想を言わないということです。長く定期健診に通っている人でさえです。来院して間もない方も、自分の歯や口の中を残念に思う方が多く正直驚いています。[一生付き合っていく大切な歯に関心が高いこと、望みが高いことを改めて思うのです。
数年前の雑誌の特集に、シニア1000人にリタイア前にやっておくべきだったことについてアンケートをとった結果が載っていました。
その健康部門の「後悔トップ20」
『第3位』日頃からよく歩けばよかった
『第2位』スポーツなどで体を鍛えればよかった
『第1位』歯の定期健診を受ければよかった!!!!!!
年を重ねるに従って、歯がとても大切だと理解されるようになったということだと思います。もしかしたら、歯を失って痛感されているのかもしれません。
従来は、歯科へ通院するきっかけは 痛いとか噛めないなどの困った時が大半でした。今では、定期健診という言葉が市民権を得たのでしょう。
健康を保つため、健康の質を上げるために定期的に来院される方が増えました。
先輩方の経験を活かし、健康の入り口である口や歯の定期的なケアを心がけたいものです。
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2017.10.28
おやつの与え方
幼い子どもは、食のレパートリーを広げたい本能が備わっているそうです。いろいろな味に出会う機会を作ることは、保護者の役目なのです。バランスのいい食事を摂ることで、健康を維持できると考えられます。
子どもの胃袋は小さいので、たくさん食べることができません。食事と食事の間の間食も、栄養補給として大切なことです。果物、いも類、あるいはよく噛むことを意識した食べ物がおすすめです。
何より意識してほしいことは、だらだら食べをしないことです。しょちゅう食べ物、特に砂糖が口の中にある環境は、当然のことながらむし歯が増え、肥満の原因になります。
食べたいという気持ちは、空腹感があってこそ強くなり、さらにいろんな味を美味しいと感じることができるのです。
空腹感を持つためには、食べたいときに少し我慢も大切です。逆に言えば、だらだら食べは、『むし歯』『肥満』『我慢できない心』を作り出してしまうのです。
甘いお菓子を幼い頃に教えないことは、決してかわいそうなことじゃありません。ただ味を教えてしまい、目の前で食べているのにあげないことはかわいそうだと思います。大人も自分たちと子どものことを考えて、甘いものの摂り方のルールを決めましょう。
むし歯危険度の高いお菓子を紹介すると、
あめ・ガム・キャラメル・チューイングキャンディー・グミ・チョコレート・カステラ・ビスケット・クッキーなど。
むし歯危険度の低めのものは、
せんべい・クラッカー・スナック菓子・ナッツ・するめなどです。 -
2017.10.14
口臭……
口臭には、『生理的な口臭』『一時的な口臭』の他に『においが強くて悩みになりやすい病的な口臭』があります。悪臭を放つものは、たんぱく質を分解し揮発性のガスを発生させる細菌です。
歯周病菌も、特徴的に臭う揮発性がガスを発生させます。においを表現することは難しいことですが、卵が腐ったようなにおい、魚や玉ねぎが腐ったようなにおい、生ごみのようなにおいがこのガスの臭いなのです。歯周病菌は、歯周ポケットやデコボコしている舌の上に住みつきます。そのために、歯周病の治療をして、的確なセルフケアを習得すること、継続的なプロのケアが大切なのです。
口臭というくらいですが、大半の原因は口の中にあるのです。歯周病菌以外のむし歯などの菌もその原因になります。むし歯を治療せずそのままにしていると、そこに定着しているむし歯菌は多くのガスを発生します。親しらずの周囲にたまり続け炎症を引き起こす菌や、歯の根の周囲にかくれて炎症を引き起こす菌も原因になります。
他に、鼻の具合が良くないことからおこる口臭もあります。口呼吸することで、口の中が乾燥し、だ液による浄化作用が低下して口臭がすることも多いと思います。口呼吸の原因が鼻疾患と疑われるときは、専門医の受診が必要です。
口と喉と鼻はつながっていますので、口臭の原因はこのどこかにあることが大半です。胃の調子が悪いから…というのは、ごくまれのようです。胃の入り口は、強い筋肉でギュッと閉じているからです。時々のゲップや口の中に逆流する場合は別ですが。
口臭は、人には言いづらく、人から指摘されることもほとんどないでしょう。だからこそ、エチケットのための口腔ケアを始めましょう。それが、ご自分の健康ケアになっていきます。
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2017.09.30
ドライマウス
水を飲んでも口の中が乾くということは、大変不快なことでしょう。口の中パサパサする、物が飲み込みにくい、話しにくい、口臭を感じる、歯と唇がくっついてしまう、歯と粘膜がくっついてしまう、あるいは口の中がねばねばする、ドライマウスの症状です。
ドライマウスは、いろいろな薬の副作用やストレス、加齢によってだ液の分泌が減ることにより起こることが多いようです。だ液が減ると、口の中を洗い流す働きが低下し、プラークが溜まりやすくなるためにむし歯や歯周病も悪化し、物を飲み込みづらくなります。消化器官の入り口での消化が十分に行われずに、栄養を摂るうえで問題が生じます。
また、免疫機能も低下します。ドライマウスによって、口腔カンジタ症を引き起こすこともあり、味がわかりにくくなってしまうこともあります。
最近何だか口の中が乾燥ぎみ…と思う方は、早めの対処を心がけましょう。普段から、『だ液をしっかり出すようにすること』『だ液を乾燥させないようにすること』が大切です。こまめな水分補給は健康を維持する点でも大切です。さらに、”保水力”を持つたんぱく質の摂取も重要です。
そして、食べ物をよく噛む習慣をつけ、ストレス解消に努めること、だ液の出る腺のマッサージや口の周りの筋肉や舌の運動も効果があります。口の中を乾燥させないことに関しては、口を開けたままでいないことです。口で息をすると、口の中は乾燥します。
だ液を増やして、だ液を減らさない。普段の習慣、心がけで健康生活の質をあげていきましょう。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
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