調布市八雲台1-24-2(無料駐車場5台完備)
診療時間9:30~19:00(火・土は18:00まで) 休診日 木・日・祝

【幼児・小学生の歯科知識】ダラダラ食べはむし歯を呼ぶ?〜お口の中の時間割を守ろう〜

【幼児・小学生の歯科知識】ダラダラ食べはむし歯を呼ぶ?〜お口の中の時間割を守ろう〜






「おかしを食べるのはダメじゃないけど、ダラダラ食べはやめようね。」
歯科医院でよく聞く言葉ですが、みなさんはその理由を知っていますか?




実は、むし歯は“食べる量”よりも 「食べる時間の長さ」 に強く関係しています。
同じ量のお菓子でも、5分で食べるのと30分かけて食べるのとでは、むし歯になるリスクが大きく変わるのです。




このコラムでは、




  • ダラダラ食べがどうしてむし歯をつくるのか
  • どんな食べ方がむし歯をふせぐのか
  • 今日からできる簡単な工夫
    をわかりやすく解説します。








ダラダラ食べってどんな食べ方?




まず「ダラダラ食べ」とは、
長い時間ずっと食べ物や飲み物がお口の中にある状態のこと。




例えばこんな場面です。




  • 宿題をしながらずっとお菓子をつまんでいる
  • 遊びながらジュースをちょこちょこ飲む
  • 休みの日にテレビを見ながら1時間かけておやつを食べる
  • 水分がわりにスポーツドリンクをずっと飲んでいる



これらはすべて 「ダラダラ食べ」 にあてはまります。




「そんなに悪いの?」「量が少しだからいいでしょ?」
と思うかもしれませんが…




実は、ダラダラ食べこそむし歯の天敵なのです。









むし歯ができる仕組み:お口の中の“酸性の時間”がポイント




食べ物を食べると、お口の中の細菌(むし歯菌)が糖を食べて酸を出します。
その酸によって歯が溶けてしまう状態を 「脱灰(だっかい)」 といいます。




でも安心してください!
私たちには 唾液(だえき) という最強の味方がいて、酸を中和して歯の溶けてしまったところを元に戻します。これを 「再石灰化(さいせっかいか)」 と呼びます。









●むし歯ができる流れはこうです




  1. 食べる
  2. お口の中が酸性になる(歯が溶けやすい状態)
  3. 唾液が働き、中性に戻す(歯を修復)



普通はこのサイクルをくり返して問題ありません。




しかし――
ダラダラ食べはこの修復タイムがまったくやってこない!




食べている間はずっと酸性状態が続くため、歯が溶ける時間が長くなり、むし歯へ一直線というわけです。









量より「回数」や「時間」がむし歯リスクを決める




むし歯予防の専門家は




「おやつの量よりも、食べる回数と時間が大事」




とよく言います。




それはなぜか?




●例え話でくらべてみましょう




Aくん
→ チョコを5分でパッと食べる(量は多め)
→ すぐに酸性 → すぐに唾液で回復




Bさん
→ 同じチョコを30〜40分かけて少しずつ食べる(量は少なめ)
→ 酸性状態がずっと続く → 歯は溶けっぱなし




この場合、むし歯になりやすいのはBさんです。




量が少なくても、「だらだら、チョコチョコ食べる」ほうが危険なんです。









ジュースやスポドリは“飲むダラダラ食べ”になりやすい




実は、むし歯リスクが高いのはお菓子だけではありません。
特に注意が必要なのが次の飲み物です。




  • ジュース
  • スポーツドリンク
  • 乳酸菌飲料
  • 甘いコーヒーや紅茶
  • 炭酸飲料
  • エナジードリンク(子どもは×)



これらをチビチビ飲むと、
お口の中がずっと酸性のまま。




しかも、スポーツドリンクは“健康的な飲み物”に見えて油断しがちですが、実は酸性がとても強く、むし歯リスクも高いのが特徴です。









ダラダラ食べがクセになると起こること




ダラダラ食べは、むし歯以外にもさまざまな悪影響を与えます。




●起こりやすいトラブル




  • 食欲のリズムがくずれる
  • ご飯が食べられなくなる
  • 早食い・偏食につながる
  • 太りやすい体になる
  • 歯みがきをしてもむし歯が防ぎにくい



特に「ご飯の前にお菓子をダラダラ食べて食欲がなくなる」というのは、小学生に多い悩みです。









むし歯を防ぐための“3つの食べ方ルール”




では、どうしたらダラダラ食べを防げるのでしょうか?
誰でもすぐできるルールを紹介します。









① おやつの時間を決める(1日1〜2回)




例えば・・・




  • 15:00〜15:10の10分間だけ
  • 夜ご飯の2時間前よりおやつは食べない



「時間を決める」だけで、むし歯リスクは大きく下がります。









② おやつは“食べる場所”を決める




  • テレビの前
  • 勉強机
  • ベッド



これらで食べるとダラダラ食べしやすくなります。




おすすめは
「ダイニングで食べたら終わり」
というルールをつくること。




“ながら食べ”がなくなるので、食べすぎも防げます。









③ 飲み物は「水かお茶」を基本にする




ジュースを飲む時間が減るだけで、むし歯リスクはグッと減ります。




スポーツドリンクは「運動のあとだけ」にするなど、ルール化がおすすめです。









むし歯になりにくいおやつってあるの?




あります!
それは「むし歯になりにくい性質をもつおやつ」です。




●むし歯になりにくいおやつの例




  • チーズ
  • ナッツ(大人が一緒のとき)
  • するめ
  • ヨーグルト(砂糖が少ないもの)
  • おにぎり
  • 野菜スティック
  • フルーツ



反対に、むし歯になりやすいのは




  • キャラメル
  • グミ
  • クッキー
  • ポテトチップス
  • 甘いジュース
    など、「歯にくっつく」「口に残る時間が長い」食べ物です。








甘いものが大好きでも大丈夫!大切なのは“食べ方”




歯科医院の多くの先生は「甘い物を禁止する」とは言いません。
甘いものは楽しみのひとつですし、完全にゼロにする必要はないからです。




大切なのは…




“お口の中を酸性にしている時間”を短くすること。




そのために




  • 時間を決めて食べる
  • 食べたら終わりにする
  • ジュースをダラダラ飲まない
  • 食後は歯みがきをする
    これだけでむし歯は大きく防げます。








今日から使える「ダラダラ食べ防止テクニック」




  • おやつは小皿に出す(袋のまま食べない)
  • 食べる前に“タイマーを10〜15分にセット”
  • おやつの後はキシリトールガムを噛む
  • 家族と一緒に「おやつ時間」を決める
  • 飲み物はお茶か水を基本にする



小学生でも今日から実践できる方法ばかりです。









まとめ:正しい食べ方でむし歯は防げる!




ダラダラ食べがむし歯を呼ぶ理由は、
お口の中が長い間酸性になり、歯が溶け続けてしまうから。




だからこそ――




  • 時間を決めて食べる
  • ジュースをチビチビ飲まない
  • 食べた後は歯みがきをする



この3つを守るだけで、むし歯になるリスクは大きく減ります。




「食べ方」を少し変えるだけで、あなたの歯をずっと守ることができます。
歯みがきと同じくらい、食べ方の習慣はとても大切です。
今日から少しずつ始めてみましょう!