歯周病の検査って何をしてるのか

歯周病とは、歯をそこに存在させるための組織の病気です。
はぐき、歯とはぐきを結びつけている繊維、そして歯が埋め込まれている骨がその組織になります。
「歯周病の検査をしてもらったことがありますか?」と聞くと『針をいろんなところに刺す検査ですよね』と答えてくれる方が多いです。
歯周病と診断するのは歯科医師ですが、検査は歯科衛生士もすることができます。
針って?刺すってどこに?そんなことを説明します。
歯周病の検査は、レントゲン、揺れの検査、口の中の写真検査などがありますが、一番時間をかけて行う検査がポケット検査(ここでは一般的にわかりやすいであろう言葉にしてます)です。歯とはぐきは、細かい繊維で結びつけられています。そして、健康な人でも歯とはぐきの間には、数mmの深さの隙間(歯肉溝)があります。
この隙間は、歯周病菌の悪さによって広げられたり、深くなったりします。歯周病の症状を表しはじめたこの隙間を歯周ポケットといいます。歯周ポケットの検査で、いろいろなことがわかるのです。この検査に使うものは、針のように先端が尖っているもはありません。シャープペンの芯ほどの太さのもので、先端は尖っていない器具を使います。これを、優しいわずかな力で歯周ポケットに入れます。狭い隙間ですから、炎症がありそこにふれた時にはチクチクすることもあるかもしれません。そんなときは、そのときに決めた合図で教えて欲しいのです。
炎症が強いなどの問題がある時を除き、痛い検査ではないし、もし痛かったら痛みを我慢する検査でもありません。痛みという反応があったことを、歯科衛生士に伝えることは検査情報としても大切です。歯周病の状態を知るため、歯を1本1本丁寧に診ていきます。
歯の全周囲のポケットを、器具でなぞるように検査します。検査表には、そのときの深さを記録します。1本の歯の周囲を6分割し6点の深さを記録します。この深さは、深ければ深いほど歯周病が進行していることを示します。
数値で表すことで、どのくらい悪いのか良いのかがわかりやすく伝わります。
さらに、この器具で歯周ポケットなぞると出血してくることがあります。この出血するかどうかというのは、歯周病の進行具合の評価として、そしてご本人に理解してもらいたいこととして、とてもとても重要なことなのです。炎症の診断に大切なのが、この出血なのです。
前述したとおり、痛くない検査で出血するのかしないのかを診ています。健康な状態は、炎症がないので出血しないのです。
器具を挿入しながら、歯周ポケットの深さを測り出血の有無を確認し記録しています。
このポケット検査は、ご自身にわかってもらいやすい歯周ポケット深さ、出血だけじゃなくいろいろとたくさんのことがわかります。
はぐきの弾力や形、色、質感。歯の根の形や曲がり方。歯周ポケットの中にある歯垢の量、歯石の量、歯石の付き方。歯の根の股のところにある炎症、歯石、病気。それ以外に、検査時に見える唇や舌や頬の状態、歯の並びやかみ合わせ、歯の喪失などなど。
はぐきの検査から得られる情報はとても多いのです。
そして、検査を記録するのは、重症・軽症を知るばかりでなく、進行状態をみていくという経過を追うことが大切だからなのです。
針じゃなく、いろいろな情報を得るために”プローブ”という器具を使って診ているのです。
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ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
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