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【幼児・小学生の歯科知識11/29】フッ素ってなに? むし歯予防のひみつ

【幼児・小学生の歯科知識11/29】フッ素ってなに? むし歯予防のひみつ






みなさんは「フッ素(ふっそ)」という言葉を聞いたことがありますか?
学校の歯みがき指導や、歯医者さんでの塗り薬、歯みがきペーストのパッケージでもよく見かけますよね。




「フッ素はむし歯をふせぐのにいいらしい!」
そんなイメージは知っていても、どうしてむし歯をふせいでくれるのか、どんなはたらきをしているのか、ちゃんと説明できる人は多くありません。




今日は、
フッ素のひみつ・むし歯をふせぐ3つの力・フッ素の使い方・安全性・よくある誤解
まで、しっかりお話ししていきます。




このコラムを読み終わるころには「フッ素マスター」になれるはずですよ!









むし歯ってどうやってできるの?




フッ素の話をする前に、むし歯のしくみをかんたんに振り返っておきましょう。




むし歯はつぎの3つがそろったときに起こります。




  1. むし歯菌(ミュータンス菌)
  2. 糖(さとう)をふくむ食べ物・飲み物
  3. 時間(ダラダラ食べ)



むし歯菌はお口の中にある糖を使って、を出します。
この酸が歯の表面(エナメル質)を溶かすことを “脱灰(だっかい)” といいます。




ただ、歯は溶けたらそのままになってしまうわけではありません。
唾液の中には歯を元に戻す力があり、これを “再石灰化(さいせっかいか)” といいます。




むし歯になるかどうかは、




脱灰(歯が溶ける)と、再石灰化(歯が戻る)のバランス




で決まるのです。




ここで、フッ素の登場です!









フッ素って何?どこにあるの?




フッ素は、地球のいたるところにある「自然のミネラル(鉱物の仲間)」です。
海の水、魚、野菜、お茶、そして土の中にもふくまれていて、私たちはふだんの生活の中で自然にフッ素を取り入れています。




むし歯を予防する目的で使うフッ素は、歯みがきペーストやはみがきジェル、歯科医院のフッ素塗布のかたちで、歯の表面にとどまるように作られています。
つまり、体に大量に入れるものではなく、




「歯を強くするために、歯の表面から取り入れるもの」




というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。









フッ素の “3つのむし歯予防パワー”




フッ素がむし歯予防に良いと言われるのは、3つのとても重要な力を持っているからです。









① 歯を強くして、酸に負けない歯を作る




歯の表面は「エナメル質」という、とても硬い組織でできています。
でも、むし歯菌が出す酸に長い時間さらされると、すこしずつ溶けてしまいます。




フッ素は歯とくっつくことで、




✔ フルオロアパタイト という
✔ 酸に強い結晶(けっしょう)




を作ります。




これによってエナメル質がより丈夫になり、むし歯に負けにくい歯になります。









② 溶けた部分(脱灰)を元に戻すスピードをアップ!




さっき「歯には戻る力(再石灰化)がある」とお話ししましたね。




この“健康な歯に戻る力”をフッ素はグンと高めてくれます。




唾液の中にはカルシウムやリンという歯の材料があり、それが歯に戻ることで元どおりになっていきます。




フッ素があると、




✔ 再石灰化のスピードが速くなる
✔ 元に戻りにくかった部分も修復しやすい




という、うれしい効果があるのです。









③ むし歯菌の活動をおさえる




フッ素には、むし歯菌が酸を作り出す力を弱める働きがあります。




つまり、




「歯を守る」+「むし歯菌を弱める」




という、ダブルでありがたい作用を持っているのです。









小学生におすすめのフッ素の取り入れ方




では、実際にフッ素をどのように使うとよいのでしょうか?









① 毎日使う歯みがき粉で!




もっとも手軽で効果的なのは、




フッ素入り歯みがきペーストを使うこと。




小学生なら
950ppm(または1000ppm)以上のフッ素量
が入った歯みがき粉がとてもおすすめです。




★ポイント
・毎日使うこと
・磨き終わったあとは「少量のうがい」にする方が効果が残りやすい









② 歯医者さんでのフッ素塗布




歯科医院では、歯みがき粉よりも高い濃度のフッ素をぬってくれます。




✔ 1〜3か月に1回
✔ 乳歯が多い時期ほど効果が高い




フッ素塗布は短時間で終わり、痛みもありません。
「むし歯になりやすい」タイプの子にもそうじゃない子にもおすすめです。









③ フッ素入りの洗口(ぶくぶくうがい)




地域や学校で「フッ化物洗口」をしているところもあります。




など方法は様々ですが、むし歯予防の効果は世界中で認められています。









フッ素って安全なの?心配はいらないの?




インターネットでは「フッ素は危険」という情報が広まっていることがあります。
でも、これはほとんどが誤解か、科学的ではない情報です。




ここがポイントです:




● 歯科で使うフッ素は“歯の表面で使う”もの




→ 体に大量に取り込むものではない。




● 世界中の専門家・研究機関が安全性を確認済み




WHO(世界保健機関)
アメリカ・ヨーロッパの歯科団体
日本の厚生労働省
などが研究し、安全であると認められています。




● 適切な量を使えば安心してむし歯予防ができる




小学生が使う歯みがき粉やフッ素塗布は、専門家が安全性を考えて作った量です。




だから、正しく使えばとても安心で、とても役立つむし歯予防の味方なのです。









フッ素だけではむし歯は防げない?大切なのは“組み合わせ”!




「フッ素があればむし歯にならない」
というわけではありません。




むし歯を防ぐために大事なのは、つぎの4つのバランスです。




  1. 毎日の歯みがき
  2. フッ素の活用
  3. 食べ方・飲み方の工夫
  4. 定期的な歯医者さんのチェック



この4つがそろうと、むし歯をほぼ完全に防ぐことも夢ではありません。









今日からできる!フッ素&むし歯予防アクション




最後に、すぐに始められる予防のポイントをまとめます。




✔ フッ素入りの歯みがきペーストを使う
✔ 歯みがき後のうがいは少なめに
✔ ジュース特別な時にだけ
✔ ダラダラ食べをやめる
✔ 寝る前はしっかり歯みがき
✔ 歯医者さんで定期チェック&フッ素塗布









まとめ:フッ素は歯の強い味方!むし歯予防のひみつを味方にしよう




フッ素は、
歯を強くする・修復を助ける・むし歯菌の力を弱くする
という3つの力を持つ、むし歯予防のスーパーヒーローです。




小学生の時期は、歯が生えかわり、歯がむし歯になりやすい時期でもあります。
だからこそ、フッ素を上手に取り入れることで、将来の大人の歯を守ることができます。




今日からフッ素を味方につけて、「むし歯ゼロ」をめざしていきましょう!