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【幼児・小学生の歯科知識】よく噛むことの大切さ:噛む力は歯と体を育てる

【幼児・小学生の歯科知識】よく噛むことの大切さ:噛む力は歯と体を育てる






「よく噛んで食べなさい」と大人に言われたことはありませんか?
でも、どうして“よく噛むこと”がそんなに大事なのか、ちゃんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。




実は、噛むことは「歯を丈夫にする」だけでなく、「体を育てる」「脳を働かせる」「むし歯や肥満を防ぐ」など、たくさんの良いことがあります。




このコラムでは、小学生のみなさんにもわかるように、“よく噛むことがどうして必要なのか”をていねいに説明します。食べるときの小さな習慣を変えるだけで、歯と体の健康がぐんと良くなりますよ。









噛むってどんな働きをしているの?




私たちは食べ物を食べるとき、前歯でかみ切り、奥歯ですりつぶし、細かくして飲みこみます。
つまり、噛むことは「食べ物を飲み込める状態にする作業」です。




でも、噛む力の本当の働きはそれだけではありません。




●噛む力の本当の仕事




  • 食べ物を細かくして飲みこみやすくする
  • 唾液(だえき)をたくさん出す
  • 脳に刺激を送って学習や集中力を高める
  • あごの骨の発達を助ける
  • 歯ぐきや歯の周りの筋肉を鍛える
  • 体が「満腹だ」と感じるスイッチを入れる



もしかすると「そんなに大事なの?」と思うかもしれませんね。でも、これらが不足するとむし歯や歯並びの乱れ、食べすぎ、集中力低下など、様々なトラブルの原因になります。









よく噛むと唾液がたくさん出る!むし歯予防に最強




噛むことでまず増えるのが 唾液(だえき)
唾液は、歯と体を守る大切な液体です。口の外に出てしまうとただのよだれになってしまいます。




●唾液がしてくれるすごい仕事




  • むし歯菌の出す酸を薄める
  • 歯の表面から溶け出したミネラルを元に戻す(再石灰化)
  • 食べかすを洗い流す
  • 口の中の菌を減らす
  • 口の中をうるおしてケガを防ぐ
  • 口の中の傷を治す手伝いをする



よく噛む → 唾液が出る → 歯が守られる
という流れで、毎日の食事だけでむし歯予防ができてしまうのです。




早食いの人はむし歯が多いのも、この唾液の量が少ないことが原因の一つです。









よく噛むと脳まで元気!集中力アップの秘密




食べ物を噛むと、あごの筋肉が動きます。
すると、その刺激が脳に伝わり、脳が活性化します。




●噛むことが脳に与えるいい影響




  • 集中力が上がる
  • 記憶力が高まる
  • イライラがおさまりやすい
  • 朝の眠気が覚めやすくなる



テストの前にガムを噛むと集中力が上がるという研究もあります。
「脳を働かせたいときはしっかり噛む」
これは小学生でもできる、簡単で強力な方法です。









4. あごの発達と歯並びにも関係が!




昔よりも噛まなくてよい食べ物が増えたことで、子どものあごが小さくなり、歯並びが悪くなるケースが増えています。




●噛まないとどうなる?




  • あごが十分に成長しない
  • 歯が並ぶスペースが足りなくなる
  • 歯並びがガタガタになる
  • 噛み合わせがずれる
  • むし歯になりやすい環境になる



よく噛むことは“自然な矯正治療”ともいえます。




毎日よく噛めば、歯が生えるスペースも確保され、歯並びがきれいになりやすいのです。









よく噛むと太りにくい体になる理由




食べすぎが気になる人にも、よく噛むことは効果的です。




●噛むと“満腹スイッチ”が入る




人の体は、噛む回数が増えると脳の「満腹中枢」が働き、「もうお腹いっぱい」と感じやすくなります。
反対に、早食いだと満腹のサインが出る前に食べ終わってしまい、食べすぎてしまいます。




●噛む回数が少ないと太りやすい理由




  • 満腹になる前に食べ終わる
  • 血糖値が急に上がる
  • つい間食が増えてしまう



健康な体を保つためにも、噛む回数はとても大切なのです。









6. どれくらい噛めばいいの?今日からできる目安




理想は 一口30回 と言われますが、急に達成するのはむずかしいですよね。
まずは次のポイントから始めてみましょう。




●今日からできる“噛む”習慣




  • 飲み込む前に「あと3回」噛む
  • 納豆やご飯など、やわらかい物でも数回多く噛む
  • 食材を大きめに切ってみる
  • やわらかい物ばかりの食事を減らす
  • 食べながらテレビやスマホを見ない(早食いの原因)



少し意識するだけでも、噛む回数は自然に増えていきます。









7. 噛む力を育てるおすすめ食品




毎日の食事に“噛みごたえのある食品”を少し加えると、噛む習慣が身につきます。




●噛む力を育てる食べ物




  • 玄米ご飯・雑穀ご飯
  • りんご・梨
  • ごぼう・れんこん
  • するめ
  • ナッツ類(大人といっしょならOK)
  • フランスパン
  • きのこ類



ただし、硬すぎて歯を痛める可能性がある食材は、無理に食べないようにしましょう。
大切なのは「毎日少しずつ噛む習慣を増やす」ことです。









8. ガムは噛む練習に使えるの?




実は、ガムは“噛むトレーニング”にとても向いています。
ただし、キシリトール入りのガムを選ぶのが大事です。




●ガムのメリット




  • 長い時間噛める
  • 唾液が大量に出る
  • キシリトールでむし歯予防になる
  • 食べすぎ防止にも効果あり



食後5〜10分程度、キシリトールガムを噛むと、歯にも体にも良い習慣になります。









9. まとめ:噛むことは歯と体を育てる“成長スイッチ”




よく噛むことには、こんなに多くのメリットがあります。




  • むし歯になりにくくなる
  • あごが育ち、歯並びが良くなりやすい
  • 脳が活性化して集中力アップ
  • 食べすぎ防止で太りにくい
  • 満腹感を得やすくなる
  • 消化が良くなり体に負担が少ない



つまり、噛むこと=歯と体を育てる最強の習慣なのです。




今日からの食事で、ひと口多く噛むだけで、あなたの体はもっと健康になります。
歯みがきと同じくらい大切な「噛む力」。
毎日少しずつ練習して、丈夫な歯と強い体を育てていきましょう。