つばをつけとく理由
昔の人の知恵の一つで、傷口につばをつけておけば治ると言われたことはありませんか?
なんだか汚く感じますが、これは一理あります。体験として、口の中の傷は治りやすいことを知っています。だ液には、ばい菌が発育しにくい働きがあるのです。つまり、傷ができてもひどくなりにくいばかりか、治りも早くなるのです。さらに、発がん性物質をだ液につけておくと、発がん作用が低下します。
そしてだ液には、食べ物を包み込み、飲みやすくして、さらに消化を助けるという大切な働きがあります。のどや食道を傷つけずに、食べ物を飲み込むことができるのはは、だ液のおかげです。
だから、口の中にいれた食べ物が十分にだ液に浸るようにするために、『かむ』という動作でだ液の分泌を促すことが大切です。食事を水で流し込んだりするのは、このだ液の分泌を十分にさせない悪い習慣です。
消化の妨げになってしまいます。
だ液は、あごや舌が動くことでたくさん出るので、よく噛むということを日々の習慣で心がけてほしいものです。そして、だ液はむし歯を作らせないための力を持っています。砂糖を栄養にミュータンス菌が酸を発生させて、歯を溶かします。わずかに溶けてしまった歯を元通りに修復するのがだ液です。はえたてのやわらかい歯に働きかけて、硬く強くするのもだ液です。
口の中をきれいにしてくれるから、歯周病の予防効果も高いだ液です。味を感じたり、口の嫌なにおいを防いだりもしてくれるのもだ液の働きです。日頃からかむことに気をつけていると、唾液腺が大きくなります。口を大きく動かしながらかむことで、自然とかむ回数が増えたくさんのだ液が出てきます。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
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