【幼児・小学生の歯科知識23/29】歯をぶつけたときの対応はどうしたらいいのか?!

学校で走っていたら机にぶつかった、友だちと遊んでいて転んだ、体育の時間にボールが顔に当たった…。
こんなときに「歯をぶつけた!」という経験をしたことはありませんか?
歯はとてもかたいけれど、強い力が急に加わると、揺れたり、ぐらついたり、欠けたりすることがあります。
歯をぶつけたときに大切なのは、正しい応急処置を知っておくことです。
すぐにできる対応を知っていると、歯が助かったり、治りが早くなることがたくさんあります。
このコラムでは、みなさんにもわかりやすく、
「歯をぶつけたときにどうすればいいのか」を説明していきます。
● どうして歯をぶつけると問題になるの?
歯の根っこ(歯根)は、歯ぐきの中の骨にしっかりと支えられています。
でも、強い衝撃があると次のようなことが起きやすくなります。
- 歯がぐらぐらする
- 歯が欠ける
- 歯が曲がる(位置がずれる)
- 歯の根っこにひびが入る
- 歯ぐきから血が出る
- 歯が抜けてしまう
とくに、乳歯は根が短いのでぐらつきやすく、永久歯は将来ずっと使う大切な歯なので、どちらも注意が必要です。
「そんなに痛くないよ」
「ちょっとぶつけただけだから平気!」
と思っても、あとから歯が黒くなったり、根っこが炎症を起こしたりすることもあります。
だから、歯をぶつけたら必ず観察することがとても大切なのです。
● 歯をぶつけたときの正しい応急処置
ここでは、ぶつけた直後からできる、正しい応急処置の方法をくわしく説明します。
ケガをした本人だけでなく、まわりの家族の人や先生にも知っておいてほしい内容です。
① まずは落ち着こう!
びっくりして泣きそうになっても、深呼吸を一回。
歯をぶつけたときは、焦らないことが大事です。
- どこをぶつけたか
- 血が出ているか
- 歯が動いていないか
- 歯が欠けていないか
をゆっくり確かめます。
鏡があると状態を確認しやすいです。
② 出血していたら、清潔なガーゼでしっかり押さえる
血が出ていたら、ティッシュよりもガーゼがおすすめ。
ティッシュは、繊維が傷口に残ってしまうこともあるからです。
歯ぐきはやわらかいので、軽く押さえるだけで血が止まりやすいです。
5〜10分ほど押さえていると、ほとんどの場合は止まります。
③ 歯がぐらぐらしていたら、無理に触らない
つい気になって、指で触ったり、舌で押したりしてしまいがちですが、
これはぜったいにNG!
余計にぐらつきがひどくなることがあります。
食事をするときも、ぶつけたほうの歯を使わないように気をつけます。
④ 歯が欠けたら、欠けたかけらも保管!
ちょっとだけ欠けたとしても、歯医者さんで元に戻せることがあります。
そのため、欠けた部分を次のように保管しましょう。
おすすめの保管方法:
- 清潔な水につける(短時間ならOK)
- ラップに包んで乾燥を防ぐ
- 牛乳に保管する(人間の体液の浸透圧,PHに近い液体であるため)
⑤ 歯が完全に抜けたときは「歯の命を守る行動」を!
永久歯が抜けてしまったときは、時間との戦いです。
30分以内の処置で助かる確率がぐんと上がります。
やるべきことは…
- 歯の根っこには触らない!
歯の根には、とても大切な細胞がくっついています。 - 汚れていてもこすったり、ふいたりはしない。
- 牛乳にひたす・口の中に入れて保存する
(飲み込まないよう注意!) - とにかくすぐ歯医者さんへ
⑥ 歯の位置がずれたときは、自分で戻そうとしない!
曲がった歯を動かしたくても、絶対にやめましょう。
歯の根っこや骨を傷つけてしまうおそれがあります。
歯医者さんで正しい位置に戻してもらうことで、治る可能性が高くなります。
⑦ 氷で冷やすと痛みや腫れがおさまりやすい
ぶつけた部分が腫れているときは、冷たいタオルで冷やしましょう。
10分冷やして、少し時間をあけてまた冷やす、をくり返すと効果的です。
● いつ歯医者さんへ行けばいいの?
答えは 「できれば当日」 です。
歯は時間がたつほど治りにくくなります。
こんなときは、なるべく早く診てもらいましょう:
- 歯がぐらぐらしている
- 歯が欠けている
- 歯の位置が変わっている
- 血が止まらない
- 歯をぶつけてから痛みが続く
- 唇や歯ぐきに深い傷ができた
- 顔が腫れてきた
とくに永久歯は、一生使う大切な歯。
早めに行くことで、歯を守れる確率がグッと上がります。
● 歯をぶつけた後の観察ポイント
ぶつけた日は痛みがなくても、あとから症状が出ることがあります。
次のことに注意して、数日〜2週間は観察しましょう。
- 歯の色が変わっていないか(グレー・茶色など)
- 噛んだときに痛くないか
- 冷たいもの・熱いものがしみないか
- 歯ぐきが腫れてこないか
- ぐらつきがひどくなっていないか
1つでも気になることがあれば、すぐに歯医者さんで診てもらいましょう。
● 歯をぶつけないためにできる予防
歯をぶつけるのは、スポーツや遊びの場が多いです。
完全に防ぐことはむずかしいですが、少し工夫するだけでケガを減らせます。
● 体育や運動時は
- ぶつかりやすい場所で走らない
- 周りの人との距離に気をつける
- ボール競技では口を閉じるクセをつける
- 必要なスポーツは「マウスガード」を使う
● 家の中では
- 濡れた床ですべらないようにする
- 家具の角にぶつからないように整理する
● 小さな子と遊ぶときは
- 予想外の動きに注意
- 頭やひじがぶつからないよう距離をとる
● まとめ:正しい知識で歯を守ろう!
歯をぶつけたときは、
「落ち着く → 出血を止める → 歯を触らない → 欠けたら保管 → 早めに歯医者へ」
この流れがとても大切です。
歯は一度失うと、元には戻りません。
でも、正しい対応を知っていれば、歯を守れる可能性は大きく上がります。
あなたの歯は、あなたの一生の宝物。
もしケガをしてしまっても、慌てず正しい方法で対処して、
これからも元気な歯を大切にしていきましょう!
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
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